2021/4/23

【解説】日本企業が、高級ブランドから学べること

コンサルタント(元NewsPicks記者)
良いモノを作っても高く売れない。あるいは、高く売れないから、良いモノを作ることができない──。
物価の低迷が長期化したことで、企業は付加価値を価格に転嫁することが難しくなった。こうした事態が、企業の成長を妨げている面がある。この状況を打破するにはどうすればいいのか。
ラグジュアリーブランドの研究者であり、『カルティエ 最強のブランド創造経営』(東洋経済新報社)の著者がある杉本香七氏は、日本が学ぶべきはスイスのリシュモンだという。
リシュモンといえば、カルティエといった高級ブランドを擁する、世界三大ラグジュアリーコングロマリットの一つだ。
なぜ、日本企業はリシュモンに学ぶべきなのか。杉本氏に、じっくりと聞いた。
(写真:本人提供)

「GAFA を目指せ」論の弊害

──杉本さんは、「日本企業はGAFAなどのアメリカのグローバル企業を見習って、規模拡大を追求すべき」という論調に異を唱えています。