2021/4/20

【悲劇】日本の食卓から「焼き鮭」が消えるかもしれない

コンサルタント(元NewsPicks記者)
この約20年で、日本は「安い国」になった。物価が停滞する日本に対して、世界の主要国では上昇が続いた。
その結果、日本の物価は相対的に安くなり、ビッグマックやスターバックスラテ、iPhoneなどを低価格で手に入れられる国になった。
しかし、もちろん物価の停滞は、多くの問題を引き起こす。その1つが、供給量が限られている資源における、「買い負け」だ。
とりわけ世界で需要が増加する魚介類などの水産物は、グローバルでの争奪戦が激しくなり、日本の輸入業者が仕入れにくくなる事態が起きている。
コロナの影響で多少の低下があったものの、世界の水産物価格は、2003年頃から60%以上高くなっている。
それに対して世界における購買力は減少傾向にある日本にとって、グローバルで流通する魚の価格が相対的に高くなっている、ということだ。
こうした市場環境は、私たちの食生活にどんな影響を与えるのか。
世界で漁業や魚の仕入れ、そして販売を手掛けるマルハニチロの池見賢社長に、世界と日本の水産業で起きていることや、将来輸入できなくなる懸念のある魚について聞いた。

INDEX
  • 「魚」が足りなくなる日
  • 「タコやサーモン」輸入の危機
  • 日本人が「魚離れ」した理由
  • 日本の「漁業規制」の問題点
  • 魚の価格を「上げる」ために
  • 「エシカル」の価格転嫁は困難
  • 賃金上昇の鍵は「女性」