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核合意というのは、イランと米英独仏中ロによる2015年の合意です。イランが高濃縮のウランを製造しない代わりに、経済制裁が緩和される、という合意でした。
 しかし、核合意はトランプ政権が破棄したし、その後イランには米国の経済制裁が課されて、核合意で可能になったはずの貿易はできなくなっています。
 核合意に違反した場合、イランは貿易ができなくなるはずでしたが、米国の経済制裁によってどのみち貿易はできなくなっています。
 それでは、イランはウラン濃縮を続けて核兵器をつくってもいいのかというと、イランは核拡散防止条約(NPT)に加盟しているので、それに違反することになります。イランは核兵器禁止条約には加盟していません。
 NPTに違反するとどうなるかというと、国連の安全保障理事会で制裁を課される可能性が高いです。イランにはNPTから脱退するという選択肢もありますが、かつて脱退した北朝鮮は制裁を課されました。
 イランはどのみち経済制裁を受けている以上、核兵器を持ってもこれ以上の経済制裁を受けることは問題にならないでしょう。問題は、米国の軍事的介入があるかどうかです。
過去最高とはいえ、すでに攻撃され、多くの遠心分離機が使えなくなったナタンズで、どのくらいの量の濃縮ができるかは不明。基本的には交渉のためのハッタリだが、大事なのはそのハッタリを口にするという政治的重み。
2015年のイラン核合意で濃縮度の上限を3.67%と定めたあと、イランは1月には20%にまで高めて、60%の濃縮ウランの製造に着手したと発表。イスラエルの関与が疑われる核施設破壊工作に対抗する措置とのこと。イランの核施設での「突発事故」は今後も続くだろうから、90パーセントの濃縮ウラン製造に着手する可能性があるのでは?
イランが危険な方向に進んでいるのは間違いないが、核兵器までの道のりは、そんな簡単なのだろうか?濃縮度60%でさえイランには未踏の領域だろう。90%以上で理論的に核兵器を作れるといっても、実際に「使える核兵器」にするには100%の濃縮が必要だろうし、それを核弾頭としてミサイルに搭載する技術も必要だ。この辺のノウハウは北朝鮮からサポートを受けるのだろうが、現段階ではウイーンでの交渉力を強める狙いが一番強い気がする。イランは6/18に大統領選、いよいよ革命防衛隊から大統領が誕生するかもしれない。今年はイランはかなりホットなトピックスになりそうだ。