2021/6/30

【林 良太】俺、ビル・ゲイツを超える起業家になる

Finatextホールディングス Co-Founder & CEO
ANAグループや丸井グループなどの企業が、資産運用や少額短期保険といったサービスをスピーディーにスタートしている。証券や保険の分野で新商品が次々と誕生している背景に、あるフィンテックベンチャーの存在がある。SaaS型の金融基幹システムから、個人投資家向けのコミュニティアプリまで金融領域で幅広い事業を展開するFinatextホールディングスだ。

ネクストユニコーンとの呼び声も高い同社を率いるのが、共同創業者兼代表取締役CEOの林良太氏。日本版ロビンフッドとも称される取引手数料無料の株取引アプリ「STREAM」や、妻が産後うつを患った体験から生まれた「母子保険はぐ」など、革新的なサービスを生み出してきた。

「金融をサービスとして再発明する」をミッションに次世代金融サービスを創造する若き起業家に「仕事の哲学」を聞いた。(全7回)
林 良太(はやし・りょうた)/Finatextホールディングス 共同創業者兼CEO
1985年生まれ。東京大学経済学部卒業。ドイツ銀行ロンドン投資銀行本部で機関投資家の営業などに従事。2013年、Finatextホールディングスの前身となるFinatextを創業。投資コミュニティーアプリの開発・運営や投資関連のアルゴリズムを提供するFinatextを展開。
INDEX
  • コンプレックスの塊だった
  • 突如「意識高い学生」に変貌
  • 学生時代の自分に勝てないこと

コンプレックスの塊だった

かつての僕はコンプレックスの塊のような子どもでした。
中学生のときには今よりずっと身長が低かったのに体重もかなりあって、スポーツも苦手だったし、女の子にもモテませんでした。
人気者になるのは、スポーツが得意な子とイケメンなので、自分は常に下に見られているような感じがして、どうしたら一発逆転できるんだろう、といつも思っていました。
通っていた中高一貫校は今でこそ難関校になっているようですが、僕が通っていた当時はそんなことなくて、普通の成績で入れました。そんな学校で、成績はずっと平均くらい。
でも、たまたま一度だけ、模試で抜群にいい成績を取り、当時の担任が「すごいじゃないか良太、東大行けるのでは?」と冗談で言ってくれたことがありました。
それをすっかり真に受けた僕は、東大を受験して一発逆転しようと決めました。