[15日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は15日、米経済は連邦準備理事会(FRB)が掲げる物価と雇用を巡る目標の達成に程遠いとの認識を示した。

デイリー総裁はニューヨーク大学マネー・マーケティアーズで、しかるべき時期が来たら政策正常化へのアプローチを討議するとしながらも、まだそうした時期には達していないと指摘。物価が向こう数カ月に一時的に上昇する可能性はあるが、インフレ率が持続的にFRBの目標に達するには程遠いと述べた。

年後半には経済活動が大きく回復する一方、来年には成長が鈍化すると予想。好調な経済指標に過剰に反応しないよう注意を促した。「私は楽観的だが、一定の下振れリスクもある」とした上で、望まないインフレ高進が見られる公算は小さいと語った。

政策支援の縮小に向け準備が整ったと判断するには、何カ月間も良好な経済統計を確認する必要があると強調。この日発表された3月の小売売上高は大幅な伸びとなり、週間の失業保険申請件数も大きく改善したが、デイリー氏は「まだ良好な統計が出始めたばかりだ」として、慎重な見方を崩さなかった。同時に、数百万人もの失業者が職場に復帰するには時間がかかるため、失業率の改善を早急にあきらめてしまわないよう、特に気を付けているとした。