[14日 ロイター] - アップルやアマゾン・ドット・コム、フォード・モーター、スターバックスなど100社超の米企業が有権者の投票権制限につながる法律に異議を唱える共同声明を発表した。

この法律は南部ジョージア州で既に成立。不在者投票の身元確認を厳格化するほか、投票所に並ぶ有権者に水や食べ物を提供することを禁止する内容。テキサスやアリゾナなど他州でも同様の法案が検討されているが、投票権保護に取り組む活動家からは、黒人らマイノリティー(少数派)を標的にしているとの批判が出ている。

声明は14日付ニューヨーク・タイムズ紙に2ページの公開書簡の形で掲載された。「われわれは投票権を守る責任を感じるべきであり、資格ある有権者の平等で公正な投票機会を制限したり妨げたりする差別的な法律や措置に反対する」としている。

アメリカン・エキスプレスのケネス・シュノールト前最高経営責任者(CEO)と米製薬大手メルクのケネス・フレージャーCEOがこの取り組みを主導した。両者は10日、企業幹部や投資家、弁護士など約100人と「Zoom(ズーム)」でビデオ会議を開き、対応を協議した。

シュノールト氏はロイターの取材に対して「企業が民主主義の基本原則を主張することは重要で、最も基本となるものは投票権だ」と語った。

共和党からは企業幹部のこうした動きを批判する声が出ている。共和党の上院トップ、マコネル院内総務は先週、「米企業のトップに対する私の助言は、政治に口出しするな、ということだ。このような大きな争いでどちらか一方の側につくべきではない」と警告した。

共和党は、昨年の大統領選で不正投票が行われたとのトランプ前大統領の主張を踏まえ、不正投票を防ぐためだと主張する。一方、反対派は、共和党に投票しない傾向のある有権者の権利を奪うことを目的としていると批判している。