[ロンドン 14日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は14日発表した月報で、新型コロナウイルスワクチンの接種が進み、世界の石油需要の見通しが改善しているとの見方を示した。

一部の国の感染拡大が回復に与える影響は懸念されるものの、「ファンダメンタルズは明らかに改善した」という。

「昨年積み上がった膨大な石油在庫は消化されつつある。ワクチン接種は進み、世界経済は改善している」と指摘した。

一方、欧州、ブラジル、米国での感染増加を例に挙げ、感染の新たな波が改善に水を差すと懸念も示した。

世界の石油需給は今年下半期に均衡すると予想。需要を満たすために日量200万バレルの増産が必要になる可能性を指摘した。

石油輸出国機構(OPEC)プラスは、ウイルス状況にかかわらず需要に生産量を合わせるとみられ、「月ごとの供給調整で需要の拡大・低迷に対応する柔軟性が確保される」と分析した。

2月時点で経済協力開発機構(OECD)加盟国の商業石油在庫は7カ月連続で減少しており、近い将来の需要拡大や輸入増加が見込まれるという。