[東京 14日 ロイター] - 加藤勝信官房長官は14日午前の会見で、東芝に対する複数の海外ファンドからの買収提案に関連し、外為法にのっとり厳正に審査することになるとの見方を改めて示した。車谷暢昭社長の辞任についてはコメントを控えた。

加藤官房長官は「重要インフラや防衛にかかわる事業を実施する日本企業を海外投資家が買収する際には、外為法に基づく届け出が求められており、将来の事業売却によって国の安全を損なう恐れなどについて、外為法にのっとり適正に審査する」と述べた。

そのうえで「重要インフラや半導体、防衛関係などわが国の経済社会に重要な事業に従事する企業については、事業を安定的に経営できる経営体制の維持構築が重要」とも指摘した。

東京都で感染再拡大が続き、まん延防止措置の適用が延長されたり、緊急事態宣言が再発令された場合に五輪・パラリンピックは開催可能か、との質問に対して、IOC(国際オリンピック委員会)のコーツ調整委員長が、大会は必ず開催されると断言したのを引き合いに、安全安心な大会を実現するとの公式見解を繰り返した。

足元の感染再拡大を受けて、まん延防止等重点措置の適用意向を表明している愛知県と埼玉県の知事からは、現時点で要請はないとした。

菅義偉首相が15日から訪米するのを念頭に、首相の不在中に新型コロナウイルスの感染再拡大防止のために、まん延防止等重点措置の適用を決定する際は、必要な手続きを行う政府の新型コロナ対策本部で、官房長官自身が首相の代理を務めると述べた。

東電福島第一原発の敷地に貯蔵されている放射性物質を含む処理水について、大阪府の吉村洋文知事が提案している大阪湾での放出については「敷地外への移送には車両や装置が必要なほか関連自治体の理解も必要」との報告書を引用し、「ただちに実現可能でない」と慎重な姿勢を示した。

(竹本能文)