企業の資本調達はデットとエクイティ

企業の資本調達源、バランスシートの右側は負債(デット)と資本(エクイティ)に分かれます。

負債とは借金のことです。借金をしたら元本はもちろんこと利息を払わねばならないです。今は金利が低いので利息負担は気にしていない企業が多いですが、金利が上がれば借金の利息で利益の半分以上が食われるなんて事態も起こり得ます。

借金を踏み倒して事業を継続することはできません。企業は利息、元本を返済するために資金繰りを間に合わせる必要があります。

資本とは投資家からの出資金です。借金のように返済義務はありませんが、利益のいくらかを配当として分配することを求められます(フェーズによっては無配もOK)。

投資家は配当だけでは満足してくれません。株価の値上がりを求めます。株価を上げ続けるため、経営陣は常に収益を追い求めなくてはなりません。売上をいかして上げるか、費用をいかに圧縮するか、経営者は日夜頭を悩ませています。

企業で働く経営者、そして従業員は走らされ続けます。止まることは許されません。なぜなら、常に資本の圧力、監視があるからです。

特にエクイティのそれは厳しい。株式投資家を満足させるだけの利益を上げないと、株を売られちゃいます。そしたら株価が下がります。株価が下がると経営者の報酬も下がります。名誉も傷つきます。

個人の資本調達にもエクイティがある?

個人の資本調達はどうでしょうか。

個人でも借金はできるので、そこは企業と同じく契約で決まった利息と元本を返済しないといけません。

一方で、個人は企業と違って誰かに出資してもらうことはありません。投資家に「もっと利益を上げろ!」と圧力をかけられることはない。個人のバランスシートにエクイティという概念はありません。

が、エクイティみたいなものはあるかなと思います。

たとえば、奥さんのお義父様から資金援助をしてもらう場合。住宅の頭金を出してもらう、車を買ってもらうとか。

あくまでお金をもらったわけだから、返済義務はない。そのお金を運用してリターンを上げることを求められるわけでもない。

でも、「お義父様にお世話になっている」という義理を守る必要が出てきます。至らぬことはできない。年末には実家に行って挨拶して、お酒を注ぐくらいしなくっちゃって思うでしょ。要するに、気を使うってこと。

これくらいならまだいいけど、実の親が金持ちで遺産を兄弟で争うとかになると悲惨なことも起きます。

『ナイブス・アウト / 名探偵と刃の館の秘密』という映画は、遺産相続を巡るドロドロミステリーです。単純に面白いのでオススメです。昨年コロナ前に映画館で観ました。

こういう疑似エクイティでお金持ちになっても、本当の意味でのお金持ちにはなれない気がします。

なぜなら、頭の片隅にそのお金を提供してくれた人の影がよぎるから。お金を提供してくれた人に対する恩義を忘れるわけにはいかないでしょう。たとえ、それが実の親であっても。

本当の意味で自由を与えてくれるのは自分自身で稼いだお金だけです。勤労であれ、起業であれ、投資であれ、自分の力で稼いだお金こそ価値がある。お金に色はあると敢えて言いたい。

自分で稼いだ金であれば、どう使おうと誰にも文句を言われる筋合いはない。誰に気を使う必要もない。博打で財産を失っても自己責任で終わる話。

誰に金を借りるでもなく、誰に援助してもらうでもなく、自分の力で富を築きたいです。

以上、ポジショントークでした

とカッコつけて書いてみましたが、ぶっちゃけ言うと、親が金持ちの人は羨ましいなあって思ったことは何度もあります。

両親に新築マンションの購入資金を半分出してもらった、結婚祝いに500万円もらった、車を買ってもらった、結婚式の費用全額出してもらった、こういう人周りにいるんで。

渋谷とか都内に実家がある人って大抵金持ちですよねー。うらやま。福岡の片田舎出身の私とは育ちがまるで違います。

学歴、仕事、ファイナンシャルリテラシーなど色んな要素が経済力に影響を与えますが、「どういう家に生まれたか」という要素に勝るものはないと思います。

自分も妻も、親・親戚の資力には全く頼れないです。自分で財産を作るしかない。その覚悟は若い頃から持ってました。だからこそ、社会人になってすぐ株式投資に興味を持ったのかなって思います。

自分で働いて、自分でリスクを取って億の財産を築いてみせます。