[東京 14日 ロイター] - 内閣府が14日発表した2月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月比8.5%減の7698億円だった。減少幅は昨年4月以来の大きさ。市場予測(2.8%増)に反し、予想外の減少となった。一方、外需は5カ月連続の増加となり引き続き堅調な動きを見せている。

前年比は7.1%減。前月比と同様、市場予想(2.3%増)に反して減少となった。

内閣府は基調判断を1月の「持ち直している」から「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に下方修正した。昨年夏以降、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ設備投資が持ち直してきたが、その動きが一服したもよう。

大和証券のチーフマーケットエコノミスト、岩下真理氏は「新型コロナの不確実性のもと、持ち直しから力強さに転じるには時間がかかる」との見方を示した。

製造業は前月比5.5%減の3426億円。17業種中12業種が減少。繊維工業、食品製造業、非鉄金属、パルプ・紙・紙加工品などの落ち込みが大きく、「世界の需要回復による素材業種の勢いが一服したことがうかがえる」(大和証の岩下氏)。非製造業(除く船舶・電力)は同10.9%減の4227億円となった。

年明け以降、自動車向けの半導体不足の問題も浮上しているが、内閣府の担当者は「一時的なサプライチェーンの滞り。設備投資は中長期的に考えなければならないので、直ちに結びついてはいない」との見方を示した。

外需は前月比76.2%増。受注額は1兆8061億円で、比較可能な2005年4月以降、過去最高の水準となった。伸び率は過去2番目の大きさ。化学機械で数千億円単位の大型案件が1件あったことが大幅な押し上げ要因になった。それを除いても海外で設備投資の活発化の動きが継続していることがうかがえる。

機械受注統計は機械メーカーの受注した設備用機械について毎月の受注実績を調査したもの。設備投資の先行指標として注目されている。

*エコノミストのコメントなど内容を加えて再構成しました。

(杉山健太郎 編集:山川薫)