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Photo by Glenn Harvey/The New York Times

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ニューヨーク・タイムズ(米国)

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Text by Brian X. Chen

今年1月、グーグルがウェブ広告のターゲティングに使われる「サードパーティクッキー」の使用を段階的に禁止すると発表したことで、少しずつ注目を浴びているものがある。新興のブランドで、プライバシー保護を徹底していることから「プライベートブラウザ」と呼ばれるブラウザだ。

ウェブ広告が鬱陶しい、勝手に閲覧履歴を追跡されているのが不快だ──そう感じつつも主流のブラウザを利用しているなら、これを機会に別のブランドに切り替えてみてはいかがだろうか。

「なんとなくChrome」なら考え直そう


Microsoft Edge(マイクロソフトエッジ)を使ってウェブ検索するあなたは、ウィンドウズ・ユーザーかもしれない。Safari(サファリ)を使っているとすれば、おそらくアップル派だろう。もしChrome(クローム)を使っているなら、グーグルのスマートフォンやノートパソコンを持っているか、あるいは学校や職場でChromeを使った後で自分の端末にブラウザをダウンロードしたのではないだろうか。

つまり、私たちはすぐに利用可能で、なじみのあるブラウザを使っているということだ。ここであげたアプリはすべて、ウェブ閲覧という同じ目的に高速かつ優れた対応力で機能する。そのため私たちは、ブラウザ自体に対しては無関心になりがちだ。

あなたがこのコラムを読み終えるまでに、私はあなたに何とか、少なくとも他のブラウザを試してみようという気持ちになってもらいたいと考えている。それが「プライベートブラウザ」と呼ばれる新型のインターネットナビゲーターだ。

これは過去3年間に登場したブラウザで、まだあまり有名ではないが、DuckDuckGo(ダックダックゴー)やBrave(ブレイブ)などのブランドがある(註:記事の最後にそれぞれのリンクを掲載しています)。これらプライベートブラウザが際だって優れているのは、閲覧履歴を追跡する機能をブロックすることで、収集される私たちの個人情報を最小限におさえることができる点だ。

この点に関しては、一般的に主流と言われるほとんどのブラウザ──特にChromeよりも優れている。SafariやFirefox(ファイアーフォックス)などにも追跡防止機能があるが、小規模ブランドはプライバシーの保護にいっそう重点を置いているのだ。

私たちは、デジタル上の情報におけるプライバシーに関する転換期を迎えている。ブラウザに埋め込まれているコードのCookie(クッキー)は、私たちが閲覧するウェブサイトひとつひとつを追跡し、広告のターゲットにするための情報を蓄積するものだ。

しかしオンライン広告は、今まさにこのCookieの使用をやめようとしている。世界で最も人気のあるChromeブラウザを有するグーグルはCookieを使用することなく広告のターゲットを定めるために新たな方法を開発しようとしているところだ。

けれど、ただ待つのはもうやめよう。追跡されたくなければ、今すぐそうできるのだから。

「私たちは分岐点にいるんです」と語るのは、ジェニー・ゲブハートだ。彼女は非営利組織「電子フロンティア財団」のデジタル著作権の管理責任者で、プライバシー問題に取り組んでいる。

「グーグルを含め、ユーザーへの広告表示をビジネスにする企業は、次に来るものが何か見極めようと必死になっています。ユーザーもそうした状況に関する情報を受け取って、自ら選択をする時代が来ているのです」

主流のウェブブラウザとは違い、プライベートブラウザにはユーザーの目的に合わせた多様な形態がある。およそ1週間に渡って、私は主なプライベートブラウザを試してみた。DuckDuckGoとBrave、そしてFirefox Focus(ファイアーフォックス・フォーカス)の3つだ。

そして最終的に、私はiPhoneの標準ブラウザをBraveに変更した。これは自分でも驚きだった。ここからはその理由についてお話したい。


プライベートブラウザのメリット・デメリット


大切なのはプライベートブラウザができること、できないことについて知ることだ。まずはその性能を見ていこう。
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