「ルールは我々が作る」 ヨーロッパのしたたかさがよく分かる、その脱炭素戦略
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国境措置の対象は鉄鋼とセメントと記事にあるが、これらは日本の輸出品であり影響は大きいと思われる。
ただ日本も炭酸カルシウムを用いてコンクリートを製造する技術を開発したり鉄鋼の分野でも電炉を使った脱炭素を進めている。
注目のコメント
EUがルールメーカーなのは、「温室効果ガス削減が不十分な国からの輸入品に対して課金する政策」だけではありません。
脱炭素戦略全般において、EUがルール―メーカーになっています。
2019年1月にEUが公表した ”プラスチック戦略 “は、まさにルール形成によりグローバルスタンダードと市場優位性を確立しています。
日本が”技術はあるのに世界に勝てない状況”から脱却するには、ルールをつくる側に回る必要があります。
日本企業は、ルールは官僚が作るものであるという意識を捨て、官民連携で創り上げるものであるという意思を持つことが重要だと思います。欧州は伝統的に「ルールでゲームチェンジ」することに長けている。 これはもはや常識。
F1でホンダが一人勝ちした翌年のルールがどう変わったか?
スキージャンプで日本人選手が勝ちまくった翌年のルールは?
ハイブリッド技術で勝てないと知った後のEV政策は?
例を挙げればキリがないです。
真面目に「技術で何とか」とか「卑怯」と言う前に、この強かさを持たないと、日本は国際社会でいつまでも2流の政治国家にとどまる。新興国から「保護主義」との批判を集める国境炭素調整措置もEUは「予防原則」を持ち出して正当性を主張する。理念の押しつけを嫌う人は日本の政官界に少なくないですが、欧州が環境問題のように理念と実益を整合させる競争に長けているのは事実。自国に有利な国際ルール作りの戦略についてはEUに学ぶところは大いにあるはず。