[リマ 12日 ロイター] - 南米ペルーで11日に実施された大統領選で、急進左派の教師ペドロ・カスティジョ氏(51)がトップに立った。フジモリ元大統領の長女で保守派のケイコ・フジモリ氏が2位に入り、両氏が6月の決選投票に進む見通しとなった。

開票率が80%を超えた段階で、カスティジョ氏の得票が18%、フジモリ氏が13.2%となっている。

カスティジョ氏は財界の重鎮の影響力を弱め、鉱業や石油・ガス、水力発電、通信といった分野で国家の権限を強めるための憲法改正を公約にしている。自由市場経済を支持するケイコ氏はブラジル建設大手のオデブレヒトから120万ドルを受け取った疑いが持たれて身柄を拘束されていた時期があり、世論は賛否で二分されている。同氏は疑惑を否定している。

ゴールドマン・サックスのアルベルト・ラモス氏は、カスティジョ氏とケイコ氏は共に多くの批判事項を抱えているため、この二人の決選投票進出は予想されていなかったと述べた。

カスティジョ氏は1カ月前の世論調査では支持率が4%以下で、上位6人に入っていなかった。出口調査では、新型コロナウイルス流行で打撃を受けた貧困地域で改憲を含む公約に強い支持が示された。

ジュピター・アセット・マネジメントの新興市場債券マネジャー、アレハンドロ・アレバロ氏は、カスティジョ氏が国有化や政府による経済統制に言及していることに触れ、「市場のボラティリティーが高まる恐れがある」と指摘した。

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