2021/4/16

【吉野彰】ノーベル賞研究者は「アップルカー」をこう予測する

この男の頭の中には、どんな未来像が見えているのか。
リチウムイオン電池の生みの親として2019年にノーベル化学賞を受賞した吉野彰は、今でもテクノロジーの最先端をウォッチし続けている。
とりわけ自動車業界の情報収集には積極的で、アップルカーというワードを投げかけても、独自の見解を返してくれる。
アップルはまだ、公式には自動車ビジネスについて明かしていない。
そこでNewsPicksは、日本が誇る頭脳に、アップルが描く自動車ビジネスについて予測してもらった。
旭化成フェローの吉野彰が描く、「未来の自動車社会」をお届けしよう。

INDEX
  • EVシフトの前に、考えること
  • 僕が考える「アップルカーの姿」
  • アップル中枢の「電池のキーマン」
  • 世界は意外と「一気に変わる」
  • トヨタの「OS普及」は厳しい
  • トヨタの「勝ち筋」
  • このままでは「日本企業は滅ぶ」

EVシフトの前に、考えること

──世界中で「EVシフト」が叫ばれています。リチウムイオン電池の発明者として、現状をどう見ていますか。
吉野 EVの議論をする前に、まずは電源を考えなきゃいかんよね。