2021/4/14

【真相】なぜソニーは「EVビジネス」に参入したのか?

異業種の自動車参入が騒がれる中で、アップルとともに注目を集める企業がある。日本が誇る家電エンターテインメント企業の、ソニーだ。
ソニーがEVへの参入を公表したのが2020年1月。テクノロジー見本市のCESで、EV試作車の「VISION-S」を発表し、世界を驚かせた。
自動運転機能を備えたVISION-Sは、すでにオーストリアで公道走行テストを開始しており、単なる試作車ではなく、実際の機能を備えている。
ところが、ソニーは現状では、VISION-Sを市販する予定はないとしている。
ではなぜ、車をつくったのか。本当にソニーカーが販売されることは、ないのか。
VISION-Sの開発責任者であるAIロボティクスビジネス担当の執行役員、川西泉氏に独占インタビューした。
INDEX
  • ソニー「EV参入」の狙い
  • 「コア部品」は自ら調達
  • 「ソニー×車」のビジネスモデル
  • 車をつくって「わかったこと」
  • 今のソニーは「ここが弱い」
  • 「ソニーカー」販売の可能性

ソニー「EV参入」の狙い

──「ソニーのEV」が話題ですが、深い狙いは知られていません。本日はその点について、質問させてください。
川西 モビリティ領域でソニーも何かできるんじゃないか。
ここ数年、「CASE革命で自動車が変わる」と言われる中で、マネジメント陣で話し始めたのは、2017年ごろからでした。