2021/4/11

【熱狂】スニーカーは「投資商品」になりうるのか?

NewsPicks, Inc. 記者
スニーカーのリセール(二次流通)市場が、盛り上がりを見せている。
スニーカーやストリートファッションアパレルを取り扱うアメリカのマーケットプレイスサービス「StockX」は2020年12月、2億7500万ドル(約284億円)を資金調達した。資金調達後の時価評価額は28億ドル(約2893億円)にのぼる。
StockXは、スニーカーを中心に、ストリートファッションブランドやプレイステーション5などの電子機器などを、出品者が提示した金額で購入したり、購入者が金額を設定してオファーすることができるなど、株式市場に着想を得た売買取引ができるのが特徴だ。
同社は「“本物”を“適正な市場価格”で売買できるプラットフォーム」と謳い、自社で真贋鑑定を行う専門部署も備えている。
人気の商品は定価の10倍以上の価格で取引されることもあり、中には100万円を超えるスニーカーも存在する。20年6月には日本版サービスも開始している。
出所:StockXの出品情報をもとにNewsPicks作成。最低出品価格は2021年4月9日時点のもの
国内でも、スニーカーフリマアプリ「スニーカーダンク(スニダン)」を運営する株式会社SODAが、今年1月にSoftBank Ventures Asiaなどから累計約25億円の資金調達を実施した。
スニダンもStockXと同様の販売方式をとるほか、コミュニティ機能を持ち、多くの熱狂的な“スニーカーヘッズ(スニーカー愛好者)”たちが、スニーカーやファッション談義に花を咲かせている。
従来のスニーカーブームは「エアマックス狩り」が社会問題となるなど、ファッションやコレクションを楽しむものだったのが、現在のスニーカーブームは、未使用の新品の売買が積極的に行われ、時には高額の値段がつくこともあるなど、「投資商品」としての意味合いが強くなっている。
3月には米ナイキの北米地区副社長が息子のスニーカー転売ビジネスに関与したとして解雇されるなど、加熱するスニーカービジネス。果たしてスニーカーは投資に向いているのか。
日本における「レアスニーカーブーム」の生みの親であり、「アトモス」などの人気スニーカーショップを運営するテクストトレーディングカンパニー社長の本明秀文氏に、スニーカーブームの先行きについて語ってもらった。
INDEX
  • スニーカーは「投資対象」なのか?
  • スニーカー「ナイキ一強」の理由
  • 高い「関税」の壁
  • スニーカーブームは続くのか

スニーカーは「投資対象」なのか?

──スニーカーの二次流通サイトに、投資家が熱い視線を送っています。価格が高騰しているスニーカーも増えていますが、スニーカーは「投資対象」になりうるのでしょうか。
本明 スニーカーショップを20年以上やっている僕がいうのもなんですが、スニーカーは「投資」の対象にはならないですよ。強いていうなら「投機」にはなるでしょうが。