2021/4/11
中国の若者を熱狂させる「愛国マーケティング」とは?
INDEX
- ボイコットされる西側ブランド
- 「国潮」というムーブメント
- 「愛国」がセールスポイント
- 中国がトレンドの主役になる時代
- 「ダサい」イメージからV字復活
- タブー化する「政治の話」
ボイコットされる西側ブランド
北京の化粧品スタートアップのオーナーであるティム・ミン(33歳)は、かつてBMWを運転していた。新しくテスラを買うことも考えていた。
だが、その代わりにテスラのライバルである新興EVメーカーNIO(上海蔚来汽車)の電気自動車を購入した。ニーオの内装や、ボイスコントロール機能が優れているところが気に入ったからだ。
ミンは自分のことを愛国者だと思っている。「私には、中国のブランドをひいきする強い気持ちがあります」とミン。
「以前はナイキも大好きでした。今となっては、どうして好きだったのか理由がわかりません。ナイキに代わる優れた中国のブランドがあれば、大喜びでそちらに代えます」
若き起業家のティム・ミンが愛用する「ニーオ」の自動車(Qilai Shen for The New York Times)
現在、H&M、ナイキ、アディダスのような欧米のブランドは、中国市場で苦しい立場にある。中国政府によって、少数民族が抑圧されている新疆ウイグル自治区で生産されたコットンの使用を拒否したためだ。
中国の消費者は、これらのブランドのボイコットを誓った。有名人はコマーシャル契約を断った。
だが、外国ブランドが直面しているのは消費者の反発だけではない。
ライバルである新興の中国ブランドの台頭も脅威だ。これらのブランドは品質の高い製品を作り、市場を熟知したマーケティングを通じて愛国的な気持ちの強い若者層に製品を販売している。
新疆綿の使用に対する西側ブランドの対応は、中国の消費者の反発を生むことになった(Cai Zengle/VCG via Getty Images)
「国潮」というムーブメント
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この連載について
時価総額
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