2021/4/12

【秘話】スタディサプリはなぜ、新規開発を1年止めたのか

NewsPicks 編集部
短期連載「Creative Teams -強さの秘密-」

ゼロから何かを生み出すのは、独りでもできるかもしれない。でも、1→100を実現するには「チーム」が必要だ──。

ジャンルを問わずクリエイティブなチームの経験則から、組織運営におけるルーティンや失敗、そこから生まれた成功の不文律を伝えていく。
会員数は157万人。前年比で2倍以上。
リクルートマーケティングパートナーズが運営するオンライン学習支援サービス『スタディサプリ』が好調だ(数字は2020年4〜12月期決算より)。
コロナ禍でオンライン教育への期待が高まる中、この勢いを支えたのは『スタディサプリ for TEACHERS』や『スタディサプリ進路』などの学校向けサービス(BtoB向けサービス)と言われている。
高校を例に説明すると、現在、日本の全日制高校は約4700校ある(文部科学省調べ)。
そのうち、スタディサプリを利用する高校は2021年1月時点で3036校。6割を超える高校で、教師や生徒が利用している計算になる。
2020年3月末は2335校だったことからも、直近1年の会員数が著しい伸び率だったと分かる。
ただ、この急成長は、時流だけが理由ではない。実はコロナウイルスが蔓延する前に行っていた施策が奏功したのだ。
2018年ごろ、企画・開発チームが抱えていた「BtoBサービスの開発にありがちな課題」を解消するため、1年ほど新規機能の開発を止める決断をした。
“空白の1年”を経て、チーム運営はどう変わったのか。
学校向けサービスの責任者である池田脩太郎氏と、テクニカルPM(プロダクトマネジャー/以下、TPM)の吉田麗央氏に変遷を聞いた。
INDEX
  • 「要望通り作っても使われない」
  • 転機は「Whyの見える化」4施策
  • 合宿でペアプロを行う狙い
  • 利用シーンの想定外を知る
  • コロナ対応が爆速に
  • チーム力を高めるチェックリスト

「要望通り作っても使われない」