支払いは「顔パス」 近畿大とグローリーが顔認証決済の実証実験 国内大学初

カフェ店頭のタブレット端末で「顔パス」で支払いをする近畿大の学生=東大阪市(西川博明撮影)
カフェ店頭のタブレット端末で「顔パス」で支払いをする近畿大の学生=東大阪市(西川博明撮影)

 近畿大(大阪府東大阪市)で「顔パス」だけで物品購入の支払いが済む顔認証決済サービスの実証実験が始まった。貨幣処理・決済機器国内最大手のグローリー(兵庫県姫路市)の技術「バイオペイ」を活用したもので、国内の大学では初の試み。学生や教職員ら約2万6千人に近未来の最新技術に触れてもらい、新たな学びやアイデア創出に役立ててもらう。

 実証実験は、東大阪キャンパス内のカフェなど4店舗で7日に始まり、9月末まで実施する。グローリーによると、同社の貨幣処理の画像認識技術を応用し、希望する利用者が顔画像やクレジットカード情報を校内で一度登録すれば、店頭のタブレット端末などの前で顔を見せれば数秒で支払いが済む。

 コンピューターが顔認識で利用者の特定に迷った場合、利用者が登録済みの4ケタのパスワードを入力することで支払いを完了させるなど誤認識を防ぐ仕組みになっている。

 顔認証の決済サービスの実証実験は令和元年にグローリーが社内のコンビニで社員約500人規模で実施しており、社外では近大が初実験となる。

 同社は今年度から実用化を目指して普及を進める方針で、新型コロナウイルスの影響で当たり前になったマスク姿も含め「さらに顔認証の技術水準を向上させていく」(担当者)という。近大側も大学キャンパスを仮想の都市空間に見立て「技術実用化に貢献したい」としている。

 顔認証の決済サービスを体験した近大経営学部3年の後藤愛弥(あや)さん(20)は「財布からクレジットカードを取り出す時間が省けて便利」と話していた。

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