韓国SK社がポーランドに新工場建設 同社史上最大の投資

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韓国のSKイノベーションの子会社であるSKアイイーテクノロジー(SKIET)は、南ポーランドのドンブローヴァ・グルニチャに、EV(電気自動車)バッテリーセパレーターの工場を新たに2棟建設することを発表した。現在同地域で建設中の2工場に続く第3・第4工場となる。投資総額は1兆1300億ウォン(約1100億円)で、同社が行う単一投資としては最大となる。新工場が稼働すれば、同社が生産するセパレーターの半分超にあたる計15億4000万平方メートル(大容量電気自動車約154万台分)がポーランドで生産されることになる。建設開始予定時期は今年の第4四半期で、2023年末までの稼働開始を目指す。

今回SKIETが大規模投資に踏み切ったのは、急速に成長しているEVバッテリー市場の需要の加速に対応するためだ。現在、世界で利用されているEVの台数は800万台を超えており、ポーランド国内では1万台を超えている。また欧州委員会は、EU内のEV利用台数は2030年までに3000万台を超えると予測している。これに伴いEVバッテリーセパレーター市場も急成長しており、同市場規模は昨年の約40億平方メートルから2025年には約160億平方メートルにまで増加する見通しだ。2023年以降は供給不足が発生する可能性も危惧されている。

SKIETの投資決定に対し、ポーランドのヤロスワフ・ゴーウィン開発・労働・技術大臣兼副首相は「同社が我が国で開発計画を行い、ポーランドに再び可能性を見出してくれたことを嬉しく思う。ポーランドが魅力的な投資先であることが再確認された」と話した。SKIETのノ・ジェソク社長は、「比類ない技術に基づいて安全なセパレーターの供給を増やし、安全性への懸念を払拭し、EV業界の成長に貢献したい」とコメントしている。

SKIETは、エネルギー・化学部門における韓国大手、SKイノベーションから素材事業を分社化して2019年に設立された。現在は韓国の忠清北道曽坪郡と中国の常州市でリチウムイオン電池分離プラントを運営している。熱や衝撃による変形を最小限に抑えるセパレーターコーティング技術や、セパレーターの厚さを調整しながら同じ品質を実現する技術など、比類ない技術を所有していることが強みであり、同社の製品を使用するバッテリーからは火災が発生しないことでも知られている。同社は2025年までに約30%の市場シェアを確保し、セパレーター市場において確固たる地位を構築することを目指している。

参考:
https://worldbatterynews.com/sk-innovation-invests-to-build-two-additional-battery-separator-plants-in-p-p751-165.htm
https://rmx.news/article/article/korean-car-battery-company-is-investing-billions-in-poland
https://www.bankier.pl/wiadomosc/Koreanczycy-inwestuja-miliardy-w-Dabrowie-Gorniczej-8084063.html
https://www.i-micronews.com/sk-ie-technology-to-make-the-largest-ever-investment-in-separator-plants-in-poland/?cn-reloaded=1
https://www.green-news.pl/1701-miliard-dolarow-na-inwestycje-w-polsce-powstaje-najwieksza-fabryka-separatorow-do-baterii-trakcyjnychhttps://www.paih.gov.pl/20210330/sk_ie_silesia#

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