2021/4/10

【解説】ESG時代の必須戦略、「ルールメイキング」とは

NewsPicks ジャーナリスト
ステークホルダー経営、ESG経営に求められるのは「したたかさ」?──。
近年、AIなどのテクノロジー、DX(デジタルトランスフォーメーション)やサブスクリプションといったビジネス用語が流行している。
一方、見逃されがちな視点がある。規制という「ルール」だ。とりわけ環境規制は、うまく利用できれば、収益の源泉となる。
その代表例が、EVメーカーのテスラだ。米カリフォルニア州などの環境規制の下、ガソリン車メーカーから、エコのクレジット(信用貸し)として年間1500億円級の収入を得ている。
Bloomberg
しかも、ルールは単に守るだけでない。自らルール作りに関与する「ルールメイキング」という戦略も重要だ。
そこで今回、オランダのDSMと、ダイキン工業に注目。
例えば、ダイキンは「環境ロビー活動」で、中国・インド市場の攻略した。2社のルール戦略の極意に迫る。

アップルを凌ぐ銘柄

1902年にオランダ石炭公社として誕生したDSMは、さまざまな事業の転換を経て、現在はビタミンなどの栄養素、家畜飼料などへの添加物、自動車部品や食品包装用のプラスチックを手がける。
同時に、環境配慮型企業のランキング上位に顔を出し続ける企業だ。
中でも、2017年、フォーチュンがまとめた企業ランキングで世界2位になった。ちなみに1位はJPモルガン、3位はアップルだ。