[チューリヒ 7日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)でスイス担当ミッションチーフを務めるマーク・ホートン氏は、同国の金融大手クレディ・スイスが米アルケゴス・キャピタル・マネジメントや英グリーンシル・キャピタルに関連した損失に対処できるとし、これらの問題がスイス金融セクターの健全性に大きなリスクをもたらすことはないとの見解を示した。

クレディ・スイスは、経営破綻したグリーンシルに関連する100億ドル規模のファンドを閉鎖したほか、アルケゴスに関連して47億ドルの費用を計上。株価がこの1カ月で25%急落した。

ホートン氏は、記者団に対し「これらの問題は組織的ではなく、クレディ・スイスが依然として対処可能だと判断した」と説明。

「クレディ・スイスは経営幹部の交代や配当制限、外部調査など複数の対応を取った」とし、「この問題がスイスの金融セクターや経済全般に大きな打撃を与えるとはみていない」と述べた。

また、クレディ・スイスは強固な資本基盤を備えて新型コロナウイルス危機に突入したとし、問題に対処できる十分なリソースがあると指摘。「これは同行が自力で対処する必要がある内部問題と考えられており、すでに対応が取られている」との見解を示した。