夫と死別、親族と縁を切るべき? 義母と暮らす女性に問われる「重大な決断」
今なにをすべきか、正解が見えない。
私の未来どうなるの?
「言葉にできない不安」を抱えている人は多い。
今、どんなにいい仕事をしていても、どんなに周りに恵まれていても、なんとなくの不安に悩まされていないだろうか?
今回の主人公・博子先生は今まさに30代後半になろうとしている高校教師だ。
30代女性は3~4人に1人が独身。
女性のフルタイム就業率は、以前より低下し、全体で2割をきる19.4%に。
そして今、9万人以上にのぼるコロナ解雇では、女性就業者が解雇対象の中心になっている。
フルタイムの職業をもつ博子先生は、恵まれた20%である、港町の高校教師。しかし、彼女もまた人生の岐路にたっているのだ。
博子先生は、10年前の東日本大震災で入籍したその日、夫をなくし、夫の母である義母と、夫の実家のある東北の港町で暮らして10年になる。
たかが10年、されど10年。20代なかばだった博子先生も今や30代半ばだ。
問われる「決断」
その博子先生が、実は、婚姻届を提出していなかった……とわかったのか前回のストーリー。今回のストーリーでは、本当の家族ではない義母のもとを去るのか去らないのか? 博子先生の決断が問われる。
死後離婚という制度がある。死後離婚とは、配偶者の死後、配偶者の親族との親族関係を終了させることだ。あまり知られていないが、死別の場合、離婚と違い、親族関係は残るため、扶養の義務など、親族としての義務は続いていくことになる。
これらを断ち切るためには「姻族関係終了届」を出す必要がある。
もちろん死別した配偶者の遺産や遺族年金は受け取れ、単に配偶者の親族と縁が切れるだけ……という届になる。
この届を提出する人数がこの10年で2倍に増えているのだ。
実は結婚していなかった夫の母と暮らし続けてきた博子先生。
姻族関係終了届を出すまでもなく、本当は家族でなかったはずのひとと暮らし続け、夫の故郷に住み続けた10年で彼女が思ったこととは?
その博子先生が、何を思い10年を生き、何を思い今この瞬間の決断をするのか?
今、確実な10年後を想像できる人は誰もいない時代だからこそ、今の感情に素直に決断する勇気が私たちにも必要なのかもしれない。
豆柴太の驚きの活躍にもぜひご注目を!
コロナ禍で、出かけられない今、東北の様子を伝える絵本動画ができました。
『柴ばあと豆柴太』(ヤマモトヨウコ著)
2011年3月……ボクと柴ばあは出会った。東日本大震災で家族をなくしたひとりと一匹がよりそうながら暮らす東北のある港町。お弁当屋さんを営む柴ばあと、小さな豆柴犬の
二人暮らしをめぐる四季の物語。東北の温かさと、せつなさが伝わるストーリーと4ページのそれぞれの心象風景できりとった、新しい形のコミックス。2巻では、さらにせつない出来事が……。たのしい4コマをはじめとした描きおろしもいっぱい!NHK「あさイチ」の「特選!エンタ」にておすすめ犬マンガに選定! amazon犬カテゴリ1位など、今、ゆっくり人気拡大中!
作者紹介
ヤマモト ヨウコ
京都府出身。現在、転勤で仙台在住。初連載に緊張中。豆柴太をよろしくお願いします! https://twitter.com/YY0905