金融庁と日銀、高リスク取引を調査 米アルケゴス問題で
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我々の投資も同じですが、リスクとリターンは表裏一体です。
リスクを取らなければ、リターンは期待できません。
問題は、リスクとリターンが見合っていたか、といった、企業サイドの要素と、適切なリスク管理が行われていたか、というガバナンス要素があり、金融庁や日銀が牽制すべきは後者です。
リスクアペタイトフレームワーク、という考えが金融機関(メガバンクが中心かもしれませんが)浸透してきており、リスク量を管理してリスクに見合ったリターンを求めることは是とされています。
リターンを求めるためには、リスクの管理が必要であり、相応のリスク管理はされていたはずですので、一部の金融機関以外はその内容を報告するだけで終わるような話かもしれません。
注目のコメント
こうした取引で米国外の銀行が米銀に勝てないのは長い歴史で明らかなような気がします。日本の銀行がこのような取引に手を染めるのが良いのかどうか、そういう意味で微妙なところではありますが、それはそれとして、リスクとリターンは裏腹で、リスクを取らなければ稼げないのも事実です。リスクというのは一定期間の損益の振れ幅で、それが金融機関の健全性との関係で許容限度を超えていなければ、つまり、総合的な体力の範囲で吸収できるなら、個別の融資や投資で大きな事業リスクを取ることに何の問題もありません。
近時は金融庁も流石に多少見方を変えたようですが、日本の金融当局は伝統的に個別貸金のリスクに拘って、総合的なリスクリターン関係に目を向けない傾向が顕著です。そのため日本の銀行は、倒産確率1%の先に3%の金利で貸すよりも、倒産確率0%の先に0.5%の金利で貸すことを好みます。日銀のゼロ金利政策でそうした融資のみでは生き残りが難しくなって、こうしたディールに活路を求めるようになったのが近時の実相じゃないのかな・・・
「経緯やリスク管理体制が適切だったかを検証する」のは良いとして、くれぐれも個別のディールの経緯とリスクのみに囚われず、大数の法則が働く金融機関の総合的なリスク管理体制の中で判断して欲しいと念じます。超富裕層のために資産運用する「ファミリーオフィス」。
ファンドや大手金融の業績を脅かすほど運用規模が大きかったのですね。
世の中の想像を超えた所にあったグレーゾーンが、
今回可視化されたということになると思います。
▶参考記事
アルケゴスなどファミリーオフィス 超富裕層が自前運用(21/04/03, NIKKEI)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR020FH0S1A400C2000000/証券会社は投資銀行部門、ホールセールス、リーテールを別会社として分けて、それぞれのフィールドのプロが経営者になる方が良いと思います。損失の構造が2008年の金融危機の時とほぼ同じではないかという認識です。MBOを束ねてCDOにしてそれにCDSをかけて安定的に手数料を得て、経営者は複雑な金融商品の仕組みを十分に理解せずディーラーに高評価していた。危機に陥って初めてリスクに気づかされた。今回も似たような状況ではないかと想像しています。
これとは別の話にはなりますが、三菱やみずほは他に負けていたポジションもこれと合わせて損失を確定させて、米国でも存在感ある証券会社と示しつつ被害者側になっている、100~300億円の損失をして逆においしい話ではなかったか想像しています。