[6日 ロイター] - 証券取引所のデータによると、3月は海外投資家がアジア株を3カ月連続で売り越した。米債の利回り上昇とドル高がアジアからの資金流出を招いた。

海外勢は3月に韓国、台湾、フィリピン、タイ、ベトナム、インドネシア、インドの株式を合計で31億8000万ドル売り越した。

年初はアジアの新型コロナウイルス禍からの回復ペースが欧米よりも速いとの見方からアジア株は買われたが、1─3月の資金流出はその後のセンチメントの反転を示している。

ゴールドマン・サックスはリポートで、米債利回りの急上昇と中国の政策を巡る懸念がロングデュレーション資産からのローテーションを促し、第2・四半期のアジア株にさらに影響を及ぼす可能性があると指摘。

利回り上昇の影響を受けやすいロングデュレーション株の例として、アジアのインターネットやメディアのほか、バイオテクノロジーやヘルスケアなどの高成長セクターに挙げた。

3月は、多くのハイテク株を擁する台湾株や韓国株からの資金流出がそれぞれ32億ドル、13億ドルと、アジアの中で目立った。

フィリピン株は海外勢が17カ月連続での売り越し。コロナ感染者急増を受けた首都マニラと近郊の新たなロックダウンが悪材料となった。

一方、感染者急増にもかかわらず、インド株には16億ドルが流入。TDセキュリティーズ(シンガポール)のアジア・欧州新興国担当チーフストラテジスト、Mitul Kotecha氏は「投資家はインド経済の回復を見込んで、トレンドに逆らって買いを入れた」と分析。その上で、「コロナ感染者増加やロックダウンが回復期待を損ね、今後数週間で資金流入が鈍る可能性がある」とした。

ベトナム株とタイ株も3月は売り越し。

インドネシア株はコロナ禍で陥ったリセッション(景気後退)から第2・四半期に脱却する可能性があるとの期待から8億ドルの買い越しとなった。

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