[6日 ロイター] - 米グーグルで人口知能(AI)の研究チームを率いていた著名科学者サミー・ベンジオ氏は6日、退職する考えを明らかにした。社内向けの電子メールをロイターが入手した。

ベンジオ氏は「刺激的な新しい機会」を追求するとしているが、関係者はグーグルが同僚のAI研究者ティムニット・ゲブル氏とマーガレット・ミッチェル氏を解雇したことが影響していると指摘した。

これまでに少なくとも2人の研究者がゲブル氏の解雇に抗議して同社を去っている。

グーグルはベンジオ氏の退職を確認した。ベンジオ氏にコメントの要請に応じていない。このニュースはブルームバーグが先に報じていた。

ベンジオ氏はグーグルに約14年間在籍し、グーグル・ブレインと呼ばれるAI研究チームの創設メンバーの一人。

ゲブル氏は昨年12月、研究論文を取り下げなかったとして、ミッチェル氏は電子ファイルを持ち出したとして今年2月にそれぞれ解雇された。

ゲブル氏は従業員の多様性を高める取り組みや製品を批判したことが会社側の反感を買ったと主張している。ミッチェル氏は「人種と性別の不公平に関する問題を提起し、ゲブル氏の不当な解雇について発言しようとした」と述べている。