この連載について
この連載の記事一覧

【実践】「ネット上の英語情報」を攻略せよ
NewsPicks編集部 695Picks

【実力チェック付】独学で英語が伸びる人の「条件」
NewsPicks編集部 1357Picks

【実践】いい文章のヒントは「百貨店」から学べ
NewsPicks編集部 1067Picks

【音楽全史】サブスクの「次」に来るイノベーションとは?
NewsPicks編集部 606Picks

【新】音楽ビジネスの歴史に学ぶ、危機の時代の乗り越え方
NewsPicks編集部 697Picks

【転職2.0】「普通の人」こそ、自身の市場価値に気づくべきだ
NewsPicks編集部 1219Picks

【村上臣】望み通りのキャリアが手に入る「転職2.0」とは
NewsPicks編集部 953Picks

【難問】西暦3000年、人類はどうなっているのか
NewsPicks編集部 825Picks

【教養】技術史から見る「人類のターニングポイント」とは
NewsPicks編集部 817Picks

【デジノグラフィ】データを「発見」に変える5つのヒント
NewsPicks編集部 817Picks
是枝裕和監督はクリエイティブな仕事が社会に与えるインパクトについて「何かを変えたいということはすでに自分の中に答えがあるということ」だから広がりがない、したがって「変える前に、自分が変わったか?」が重要と指摘されていますが、古賀さんがおっしゃる「自分自身も見たことがない場所に行きたい」という気持ちが根っこにあるという意味で共通するのかなと思いました。
何よりも興味深いのは、単なるスキルのみならず、「ライターとはこういう仕事である」というマインドセットの部分をしっかりと説明している点。
そうした部分が書かれているからこそ、ある程度経験を積んだ人にとっても、忙しい日々の中でつい忘れがちな職業倫理を思い起こさせてくれる内容になっています。
『その時に、著者に実際に会う前に、なかば想像で書かれた構成案のとおりに取材が進んでいくのは、おかしな話だと思うんです。取材は、「あなたのことを、きっとこういう人だと思って、こういう案をつくってきました」と、仮説をぶつける場ですから。決して「事前の予定通り進める場」ではない。』
とても共感する。自分は「取材」を投資家として過去してきた。先日、記者・編集者として「取材」を行ってきたメンバーと話していた時に、同じ取材と言っても考え方が違うのだなぁと感じた。
投資のための取材のゴールは、投資するかの判断をすること。そのために仮説をぶつけもするし、理解をしていなかったり理解が間違えていることはリスクだから、理解をする質問をする。一方で記事や企画を書くための取材のゴールは、最後の文章としてのアウトプットのネタ。ネタには仮説もあるが、ただ理解をするという部分の占める比率は投資に比べると低いのではないかと感じた。一方で、何かを伝える職責という観点では、自分が理解をすることで分かりやすく伝えられる側面もあり、アウトプットのための理解の重要度は世の中全体としてもう少し増えるとよいのではないかと感じている(もちろん、多くの情報があるから、理解がデスクトップでも進むので、世の中のライターの方々にものすごく感謝している側面もある)。
それは後取材の重要性で言及されている色々な点につながっていると思う。是非記事を見てほしいが、特に『言葉を預かるものの責任として、しっかりと調べ上げて、完璧に理解した上で読者に渡さないといけない。自分の言葉以上に大事にしないといけないのです。』に詰まっていると思う。
読者の立場であり、発信者の立場で徹底的にコンテンツを煮詰めていく。その作業は凡人にはなかなかできません。それをやり切っているからこそ、説得力があり、読みたくなるものができあがるのでしょうね。