2021/4/7

【新発想】テクノロジー企業が、養豚ビジネスに殺到中

ジャーナリスト
今日から、中国をはじめとした、世界の最新ビジネストレンドを紹介する新連載「Think Different, Later」が始まります。
日本が「デジタル後進国」になった今こそ、その発想を変えることが大切です。
過度にオリジナリティにこだわり、頭を抱えない。クイックに、素早く取り組み、ライバルの長所はすぐ学ぶ。
そんなあり方を、「Think Different(異端であれ)」ではなく、「Think Different, Later(やってから考える)」と表現しました。
ダイナミックに成長するアジアから、示唆にあふれたストーリーを現地投資家、アナリストらがお伝えします。
ナビゲーター役は、わたくしジャーナリストの高口康太が務めます。
本日は、中国のスタートアップ・データベース企業「IT桔子」(ITオレンジ)の創業者、文飛翔(ウェン・フェイシャン)さんのレポートです。
INDEX
  • ファーウェイが「養豚参入」
  • アリババが「子豚」を救う
  • 豚肉が引き起こすインフレ
  • 伝染病リスクで生産が急減

ファーウェイが「養豚参入」

──「テックジャイアント」と「養豚」に一体どんなつながりがあるのでしょうか。
びっくりしますよね(笑)。ですが、中国で今、話題のテーマです。
きっかけは今年2月、通信機器・端末大手の華為科技(ファーウェイ)が「スマート養豚ソリューション」を発表したことです。
AI(人工知能)カメラによる顔認証・画像認証、豚に付けた無線タグによって、以下のような機能を実現しています。
  • 不審な車両や人員の出入りを記録
  • 豚舎の消毒をさぼっていないか、AIカメラでチェック
  • 野良猫やネズミ、鳥の侵入を検知
  • 豚一頭一頭に付けた無線タグで体温や運動データを個別に記録
──消毒の確認とか、感染病対策が重要なんですね。
中国では豚の感染病である「アフリカ豚熱」が流行しています。消毒し忘れ、野生動物の侵入、外部の人員や車両の進入などで、感染が広がります。
こうした問題が起きないよう、すべて人力でチェックするのは大変ですから、AIの力を使って人手をかけずに対策するわけです。
──説明されれば納得ですが、あのファーウェイが養豚ってちょっとびっくりしますね。
中国でも驚いた人が多く、「アメリカの制裁でスマートフォンが作れなくなったから、養豚に転身か?!」などと、ちょっとした騒ぎになりました。
もちろん、ファーウェイが転業したわけではありません。中国の大手IT企業はここ数年、B2Bのソリューションビジネスへと重心を移していますが、その中でも注目を集めるのがAI養豚です。
網易(ネットイース)、阿里巴巴集団(アリババグループ)、京東集団(JDドットコム)、百度(バイドゥ)など、そうそうたる顔ぶれがAI養豚に参入するなか、最新の参入者がファーウェイなのです。

アリババが「子豚」を救う

最も早く、AI養豚に取り組んだのはゲーム大手のネットイースです。2009年には農業事業部を設立し、浙江省に80ヘクタールの大型養豚場を持っています。