「選挙は明日あってもいいほど準備ができている。不信任案を出されたままで政治を進めていくわけにはいかない」
自民党の二階俊博幹事長は5日の記者会見でこう述べ、野党が不信任案を提出した場合、政府・与党として衆院解散を選択する可能性に重ねて言及した。
自民党内では新型コロナウイルス対応が最優先との認識が大勢で、「4月解散」の可能性はほぼ消えたとの見方が広がる。一方、新型コロナのワクチン接種が始まったことなどで内閣支持率は回復傾向にあり、7月4日投開票の東京都議選との「ダブル選」など、夏の東京五輪までの解散論はくすぶり続けている。
6月16日が会期末の国会終盤に野党が不信任案を出せば「解散の大義になる」(自民幹部)との受け止めもある。
とはいえ、判断を誤れば政府・与党に逆風が吹く可能性もある。自民関係者は「解散表明直後にコロナ感染者が増えたら、自民は国民や地方の首長らに批判されて選挙が厳しくなる」と強調。その上で「野党のわなに引っ掛からないよう、解散を表明する時期は感染状況などを冷静に見極めなければならない」と警戒を強める。(広池慶一)