楽天証券は3月の新規口座開設数が初めて25万を超え、25万929口座となったと発表した。2020年12月には、口座数500万突破を発表しており、3月末に600万口座に到達したSBI証券を猛追している。
ネット証券はコロナ禍過で口座数が急増。特に、楽天証券はグループの楽天ポイントとの連携の効果が大きく、直近9カ月で100万口座を新たに獲得している。3月の新規口座開設数が大きく増加したことで、533万口座(2月末)の野村證券を口座数で抜いたとみられる。
新たに口座を開いたユーザーの多くは若年層だ。30代以下が68%、女性が45%、そして投資初心者が75%を占め、これまで開拓が難しいとされてきた利用者層の取り込みに成功したことが、急拡大につながった。
規模拡大の一方で、次第にビジネスモデルは変わりつつある。楽天グループのポイントエコシステムの活用は、楽天証券単体で見た場合の販促費の拡大につながる。新規口座のうち約46%が楽天グループからの流入だ。
また、新規口座開設者の多くは株式トレードではなく、長期の資産運用を目的としている。投信積み立てを行うユーザーは110万人を超えており、前年から2倍に拡大。月間投信積立額は350億円を超えている。
証券会社にとって投信ビジネスの収益源は、販売手数料と預かり残高に対する手数料だが、投信販売手数料は無料化済み。さらに楽天証券では、カードによる積み立て時に1%相当を還元、投信保有残高に対してもポイント還元を行うなど、投資家負担コストを削って利用者拡大を促進している状況だ。
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