大阪・兵庫「第4波」感染倍増の恐れ…「英国型」猛威

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 大阪府や兵庫県では新型コロナウイルスの感染が再び急拡大し、「第4波」では1日あたりの新規感染者数が「第3波」のピーク時の2倍程度まで膨らむ恐れがあると、複数の専門家が警鐘を鳴らしている。変異したウイルスの広がりで感染が拡大した英国のような状況が起きる懸念があるためだ。病床の拡充など早急な対策強化が求められる。

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大阪府庁
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 第3波のピーク時には1日の新規感染者数が大阪府は654人(1月8日)、兵庫県では324人(1月9日)だった。2倍になると、それぞれ1300人程度、600人程度に達することになる。大阪府では感染者が3月30日までの1週間平均で前週比2・2倍と急増しており、府は31日以降も1週間で2倍のペースで増えると、9日に891人になると試算している。

 最大の懸念は、従来型より感染力が強いとされる変異ウイルスの広がりだ。厚生労働省によると、累計の感染者数(3月30日時点)は兵庫県が181人で最も多く、大阪府が130人で続く。「英国型」「南アフリカ型」「ブラジル型」などがあるが、両府県では全て「英国型」が占めている。両府県では緊急事態宣言が2月末に前倒しで解除され、若者の行動が活発化したことも影響したとみられる。

 東京慈恵会医科大の浦島充佳みつよし教授(予防医学)によると、英国では昨年9月に変異ウイルスが出現し、約3か月後、ロンドンを含む地域では感染者の約6割にまで拡大した。それに伴い、一部地域でロックダウン(都市封鎖)を導入したが、感染者は3週間後に2倍以上に増えた。

兵庫県庁
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 浦島教授は「日本で英国型が見つかって約3か月たち、大阪や兵庫では感染の主流になりつつあるとみられる。今後、日本でも同様の感染拡大が起きてもおかしくない」と指摘する。関西大の高鳥毛たかとりげ敏雄教授(公衆衛生学)も「第3波の1・5倍、最大で2倍程度になることも想定される」との見方を示す。

 厚生労働省は各都道府県に、感染者が2倍程度に拡大することを想定して医療体制を見直すよう要請している。国際医療福祉大の和田耕治教授(公衆衛生学)は「重点措置の効果が上がらない場合も想定し、次の手を考えておくべきだ」と話している。

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