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展示会マーケティングの闇

と、少しタイトル煽りすぎですが、ご了承ください。

IT業界に限ったことかもしれませんが、一昔前と比べて展示会という形式でのマーケティングは勢いを失った様に思います。もちろん、今現時点ではコロナの影響で展示会の開催もままならないというのが現実だとは思います。それでも、10年前とコロナ前の2年ほど前では、展示会の人の入りが明らかに減ったり、外資系大手のベンダーが出展しなくなったりと、マーケティングにおける重要性が変わってきた様に感じます。

そんな、展示会を使ったマーケティングですが、私は以前から違和感を覚えていました。実際、いくつかの展示会でのブース出展を担当してきましたが、その中で思ったことを少し書きたいと思います。

展示会の出典の目的

IT系の展示会における出展目的は、多くの場合リード獲得だと思います。そして、展示会出展の成否は獲得したリード数によって判断される場合が多いかと思います。もちろん、製品やサービスを知ってもらったり、体験してもらったりということもあるでしょうが、大概はパンフレットを渡しても翌日には開かれることなくゴミ箱に入っていて、製品名は忘れられているかと思います。

そこで出展各社はコンパニオンさんを配置したり、ノベルティを配布したりして、必死にリード情報を獲得しています。そしてブース出展の担当者は、獲得したリード情報を精査して、CRMに投入して、サンキューメールを送るという、かなり地道な作業を行うわけです。

リードの数か質か

そこで気になるのが、そこまでして集めたリードの質です。先ほど書いた様に、リード数を評価指標としてリードを収集するため、その質は開催中はリード数を確保することを優先します。残念ながら、数を集めることを優先した結果、リードの質は必然的に落ちてしまいます。

逆にコンパニオンさんやノベルティを積極的に使用せず、展示用のパネルの内容を作り込むことである程度は質を改善することはできますが、今度はリード数という意味ではかなり厳しくなってしまいます。

展示会の客層

加えて、展示会の客層の質に関しても以前に比べて悪くなっている気がします。これは、ネット上の情報が普及し、企業と顧客の接点が増えたことで、わざわざ展示会まで行かなくても、必要な情報は手に入る様になったからです。

その代わり、よく見かける様になったのが、IT企業の新人さんです。明らかに勉強目的で会社から展示会に行ってこいと言われてる感じなので、当然リードとしての質は低くなります。とはいえ、真面目に話を聞いてくれるので、無下にもできないのが余計に困ってしまいます。

あと、これは昔からいるのですが、時間潰しで来ている暇な人たちも展示会ならでわという感じで多数存在します。

だからと言って、展示会にきている人が全員質の悪い顧客というわけではなく、まじめに展示会に情報を集めに来ている人も多くいます。中には本当に良い取引につながる顧客がいたりもします。小さい企業にとっては、現場でアピールして、こう言った顧客に当たれば大きいので、出展する意味はあるのかもしれません。

ということで

展示会って出すべきかどうかという判断では、私は数年前の時点で展示会は意味がないと思い、施策から外す様にしました。以前はリード度外視で、顧客接点と割り切って出展したこともありましたが、今はあまり得策ではないと思います。同じブース出展をするのであれば、何かのカンファレンスでのブース出典の方が、来場者の目的が絞れていてより良いと思います。

なんだか展示会をディスった様になってしまいましたが、IT業界以外に関しては、あまり展示会に出たことがないので、この話が当てはまるのかはわかりません。

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マイカスピリットではIT企業向けに「技術力を商品力に翻訳する」技術マーケティングのお手伝いをしています。


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