『ウィニングカルチャー 勝ちぐせのある人と組織のつくり方』では、どんなチームや企業にも存在する「組織文化」をテーマに、それを知り、変え、進化させていく方法を紹介しています。「組織文化」とは何か明確に定義できる人は少ないはずです。「一人ひとりの「感情」が組織文化になっていく」「一人ひとりが心をさらけ出さなければ組織文化は強くなれない」に続いて、今回は組織の成長に欠かせないアンラーンについて紹介します。

成長に欠かせない組織の「アンラーン」、できていますか?Photo:AdobeStock

常識を破壊する「アンラーン」

 現在の自分らしさを知り、目指す姿がわかって初めて、現在と将来のギャップが意識できるようになります。

 そのギャップを埋めることができれば目標を達成できますが、現在のままでは到達できないとわかったら「アンラーン=Unlearn(学びほぐし)」に取り組みましょう。

 一般にいわれる「ラーン=Learn(学び)」は、自分の知らない新しい知識を身につけることを意味します。これに対してアンラーンは、これまで学んだ知識をいったん破壊し、常識という思い込みの壁を取り除くことです。

 将来なりたい自分に変わるには、単に学んで新しい知識を手に入れるだけでなく、それまで自分が頑張って身につけてきたものを打ち壊す必要があります。

 アンラーンによって思い込みの壁を壊し、怖さを乗り越えればまっさらな状態で新しい学びを受け入れることができます。こうして古い価値観を手放したあとには、新たな知識を学ぶ「リラーン=Relearn(学び直し)」が必須です。

 個人と同じように、組織が変わるためにもアンラーンが必要です。

 将来なりたい組織像を描いたら、まずは弱みをさらけ出して自分たちの姿を知り、自分たちらしさは何かを明確にします。

 そのうえで、もし現状の姿と思い描く姿にギャップがあるなら、これまでの常識や思い込みを壊して学び直し、新たな知識を獲得していくのです。

 自分をさらけ出すことで本当の自分を知ることも、これまでの常識や思い込みをくつがえすという意味ではアンラーンの一つです。つまりアンラーンとは、組織文化を知り、変えるときに必ず実践しなくてはならないものなのです。

 これまで私が手がけてきたリーダー育成では、個人のアンラーンを扱ってきました。一方、『ウィニングカルチャー 勝ちぐせのある人と組織のつくり方』で取り組むのは組織文化を変革して強く生まれ変わる組織のアンラーンです。

『ウィニングカルチャー 勝ちぐせのある人と組織のつくり方』第二章より抜粋、2021年4月6日公開記事へ続きます)

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