[2日 ロイター] - 米電気自動車(EV)メーカーのテスラが2日発表した第1・四半期の納車台数は18万4800台と、過去最高を記録した。堅調な需要が、世界的な自動車向け半導体不足の影響を相殺した。

リフィニティブのまとめた市場予想の17万7822台も上回った。これまでの過去最高は前四半期に記録した18万0570台だった。

テスラは声明で、中国でスポーツ多目的車(SUV)「モデルY」が好評だったことを踏まえ、迅速にフル生産を目指す方針を示した。新型の「モデルS」と「モデルX」の販売も好調で、生産増強の初期段階にあると明らかにした。

第1・四半期の生産台数は18万0338台と、前四半期の17万9757台から小幅増加した。

テスラの上海工場では昨年終盤にモデルYの生産が始まった。中国では既にセダン「モデル3」も生産している。2月には通常なら需要が落ち込む春節(旧正月)期間だったにもかかわらず、テスラの中国販売は前月から大きく伸びた。

テスラは2月、「部品不足」のためカリフォルニア工場の操業を2日間にわたり停止した。

ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブス氏は「この四半期は中国と欧州が特に堅調だったと考えている」と指摘。バイデン米政権のEV支援策や世界的な需要増を受け、テスラの今年通年の販売台数は85万台を突破すると予想した。

第1・四半期のモデル3/Yの納車台数は18万2780台と、前四半期比13%増加。半面、より高価なモデルS/Xはモデル刷新を控え、1万8920台から2020台に減少した。

ガーバー・カワサキのロス・ガーバー最高経営責任者(CEO)は、利益が大きい車種の販売減でテスラの第1・四半期利益率は低下するとみられるとしつつ、第2・四半期決算は堅調になるとの見通しを示した。