全日空の「飛行機レストラン」が人気 ファーストクラスが6万円

ジャスティン・ハーパー、ビジネス担当記者(BBCニュース)

Child eating meal on plane

画像提供, ANA

全日本空輸(ANA)は3月31日、羽田空港に駐機している旅客機内で食事を楽しめる新たなサービスを開始した。新型コロナウイルスの影響で稼働率が低下している旅客機を有効活用しようと、従業員が企画した。

ボーイング777型機の機内で食事ができる「翼のレストラン HANEDA」は、ファーストクラスが税込み5万9800円、ビジネスクラスが同2万9800円。

3月8日から受付を開始したところ、用意していた枠はすぐに完売。4月分の購入枠が追加された。

新型ウイルスのパンデミックの影響で、世界中の多くの航空会社が大幅な減便を余儀なくされている。そこで各社は駐機中の旅客機を活用しようと創意工夫をこらしている。

一方でオーストラリア政府は国内旅行を促進するため、航空業界支援に12億豪ドル(約1003億円)を拠出する方針だ。約80万枚の国内航空券を対象に、半額を補助することなどが盛り込まれている。

厳しい隔離措置や渡航制限が敷かれる中、世界の航空業界は生き残りをかけた史上最大の困難に直面。すでにいくつかの航空会社は経営難に陥っている。

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多くの航空会社が収益を上げるための独創的な方法を考案している。駐機中の旅客機内で食事を楽しむなど、「どこにも飛んでいかない」サービスが人気を集めている。

昨年10月にはシンガポール航空が、シンガポール国内の主要空港に駐機しているエアバスA380型機の機内でランチを提供した。最大約5万8000円と高額だったが、販売開始から約30分で最初の2日間が完売となった。

英ブリティッシュ・エアウェイズも先週、ケータリングパートナーDO&Coを通じてファーストクラスのメニューを各家庭へデリバリーするサービスを実施した。自宅で調理するミールキットは4種類あり、2人前80ポンド(約1万2000円)から。

カンタス航空やヴァージン・アトランティック航空、格安航空会社ジェットスターは20以上の都市への半額運賃を発表している。またカンタス航空は、搭乗者の感染を確認できるデジタル渡航アプリを試験導入している。

国際航空運送協会(IATA)は3月31日、新型ウイルス感染症COVID-19の検査結果や、ワクチン接種を証明するデジタル渡航パスの運用を4月中旬から米アップルのプラットフォーム上で開始すると発表した。

「このアプリは航空会社や様々な国、空港で採用されて初めて、成功できる」と、IATAの広報担当は説明。デジタルパスは搭乗手続きの迅速化につながるとしている。