[北京 1日 ロイター] - 中国政府は1日、今年の粗鋼生産を減らすため対策を講じると発表、2016年から続けてきた余剰生産能力の削減について、全国調査を実施する方針を示した。

二酸化炭素の排出を抑制することが狙い。中国は2016年から鉄鋼業界の旧式化した設備や余剰設備を削減する対策を進めている。

昨年の中国の鉄鋼製品の輸入は64%増加したが、新型コロナウイルス危機からの回復を背景に、国内の鉄鋼生産も記録的な水準に達している。

国家発展改革委員会と工業情報省は、鉄鋼産業の余剰生産能力と鉄鋼の製錬事業について、共同で調査を実施するとの声明を発表。

「2016年以降、鉄鋼生産能力の削減は著しい成果を上げてきたが、一部の根深い矛盾が根本的に解消されていない」と指摘した。

また、量よりも質の改善を促すと表明。一部の企業には闇雲に鉄鋼事業を展開する「衝動」が見られると述べた。

全国調査には、各地方政府による自主的な調整、立ち入り検査、報告書の作成などが含まれる。

環境に悪影響を及ぼす旧式の施設で粗鋼生産を減らすことを重視するとしている。

鉄鋼生産量が国内最大の河北省唐山市は、すでに一部の鉄鋼メーカーに今年30─50%の減産を要請しており、鉄筋先物や熱延コイル先物は1トン=5000元以上と、記録的な高値に値上がりしている。