[チューリヒ 1日 ロイター] - スイスの金融大手クレディ・スイスは、経営破綻した英金融サービス会社グリーンシル・キャピタルの関連ファンドに絡む損失の大半を回収することを目指すとし、関連ファンドの投資家への現金返還を月内に拡する計画を明らかにした。

クレディ・スイスは先月、グリーンシル関連のサプライチェーン・ファイナンス(SCF)ファンドを閉鎖。同ファンドは約100億ドル規模で、グリーンシルの債務が大半を占める。

3月29日時点で、約31億ドルが投資家に返還され、ファンドに残っている現金は15億ドルという。

クレディ・スイスは同社サイトで「清算手続きを通じグリーンシル関連ファンドへの投資の大部分を回収する見通しで、必要に応じ、法的措置を含む他の措置を講じるためのリソースを有している」とし、「投資家への資金返還を加速させるため、引き続き他の選択肢を模索してく」とした。

クレディ・スイスはグリーンシル問題に絡む損失の規模は明確にしていないものの、利益に大幅な影響が及ぶ可能性があるとの見通しを示している。

同社は、米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントの損失問題でも、エクスポージャーの縮小で出遅れ、関係筋はクレディ・スイスの損失が50億ドルに達する可能性があると指摘している。