2021/4/3

【独占】日本のスーパーをDXする「10X」とは何者か?

NewsPicks 記者
世界で最も早くDXが進んだ分野の1つが、小売だ。
アマゾンが米国でECを始めたのが、1995年。それから、本をはじめとして様々な「お買い物」をデジタルで済ませられるようになった。
EC化はコロナ禍でさらに加速し、今やショッピングに出かけるよりもPCやスマートフォンで「ポチる」方が多い人もいるだろう。
しかし、それでも遅々としてEC化が進まない分野がある。生鮮食品や日用品を扱う、スーパーマーケットだ。
商品サイクルの短い野菜や肉、魚介類を、鮮度を保ったまま消費者のもとに届けるのは簡単ではなく、この市場はアマゾンさえも攻略できていない。
どうすれば、小売業「最後のブルーオーシャン」を獲れるのか。そうした難題に挑戦する企業が、日本にある。
10X(テンエックス)。大手小売チェーンのDXを支援する、ネットスーパーの黒子企業だ。
辞めメルカリを中心に創業してからわずか4年で、すでにイトーヨーカ堂のネットスーパーやライフのEC領域を担っている注目企業だ。
大手企業から頼られる10Xの力は、どこにあるのか。創業者でCEOの矢本真丈氏を直撃した。
INDEX
  • 創業当初は「別のビジネス」
  • 「ECスーパー」を試してみた
  • だから「アマゾン」も苦戦する
  • 「Shopifyモデル」は成立しない
  • 45分の買い物が「8分」に
  • ネットスーパーは「50パターン」

創業当初は「別のビジネス」

──10Xはネットスーパーの黒子企業として、徐々に注目が集まっています。強みはどこにあるのですか。
僕らは今でこそ、ネットスーパーの支援企業と紹介されますが、創業当初から狙っていたわけではありません。