(ブルームバーグ): 米ファイザーとドイツのビオンテックが共同で開発した新型コロナウイルスワクチンは、接種から半年後も極めて高い有効性を保った。両社が1日発表した長期的効果に関する新たな報告書で明らかになった。ファイザーは、この結果を使って当局の承認の拡大を目指すことができるとしている。

報告書によると、ワクチンの最終臨床試験に参加した4万6307人について追跡調査した結果、2回目の接種後1週間後から半年後までの間に有症状の感染を91.3%防いだことが示された。米国に限定すると、この有効率は92.6%に上ったという。

同時に、南アフリカ共和国で発生した免疫を回避する仕組みを持つ変異株「B.1.351」に対するワクチンの効果に関しても、両社は初めてデータの一部を公表した。南アの臨床試験参加者800人のうち9人が発症し、6人はこの変異株の感染だったが、全員がプラセボ(偽薬)群に属していた。ワクチンは「B.1.351」に対しても効果があったことが示唆される。

ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)は発表文で、今回の結果により「米食品医薬品局(FDA)に生物製剤承認申請(BLA)を提出できる状況になった」との認識を示した。

両社のワクチンはFDAから緊急使用許可(EUA)をすでに取得済みだが、EUAは有効期間が緊急時に限られ、無効になったり変更されたりする可能性が常にある。正式な承認を受ければ、使用が長期的に保証される。

原題:Pfizer Shot Remains More Than 91% Effective After Six Months (1)(抜粋)

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