[ロンドン 1日 ロイター] - IHSマークイット/CIPSが発表した3月の英国の製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は58.9と、約10年ぶりの高水準となった。速報値の57.9から上方修正された。

受注が急増したほか、新型コロナウイルスの流行に伴うロックダウン(都市封鎖)の段階的な緩和を見越して、人員も増えた。人員の拡大ペースは2014年以降で最高だった。

英国では新型コロナのワクチン接種が進展しており、今年の景気回復につながるとみられている。

新規受注は過去3年あまりで2番目の高水準。ロックダウンの緩和で4月12日から必要不可欠ではない店舗と屋外での接客が再開されるため、企業が準備を進めた。

サプライチェーンの納期期間が大幅な伸びを示したことが、PMIを4ポイント以上押し上げる要因となった。

納期の長期化は通常、経済活動の活発化を示すが、今回はロックダウンによる制約、世界的な配送の混乱、欧州連合(EU)離脱に伴う事務処理の増加が、納期長期化の原因となった。

企業の楽観度は7年ぶりの高水準。消費財の生産は増加に転じた。

輸出はなお低迷しているが、欧州、アジア、米国の需要回復で増加した。

投入価格の上昇ペースは50カ月ぶりの高水準。販売価格の上昇ペースは2017年1月以来の高水準だった。

IHSマークイットのディレクター、ロブ・ドブソン氏は「今後の経済活動再開に伴い、こうしたインフレやサプライチェーンに対する懸念が長引けば、拡大ペースが抑制される可能性が高まる」と述べた。