ソフトバンク宮川社長、200億円規模の自社株を市場から取得へ
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タイトルをみて、いわゆる「自社株買い」かと思いましたが、内容は異なります。また、ストックオプションの付与かと思いましたが、これとも違います。
自社株買いの場合、その後「消却」とセットで行うと、発効式株式数が減少し、1株当たりの売上や利益等、主要な指標が向上しますので、(1株当たりの)株価が上がります(時価総額に変化がない前提とすれば当然です)。そのため、株主への還元策との位置づけになります。実行主体は企業です。
ストックオプションの場合、株式の「購入権」をその企業などの主要幹部に与えるという報酬付与の方法。購入価格が固定されている一方、実勢株価が設定価格を超えると「購入権」をもつ方に差額としての利益が入る仕組みです。しかし、購入権価格が低価に設定されることが多く(株価がかなり下がっても報酬が入る設定のことがほどんどですが、これは大々的に宣伝しません)、「株主の利害と方向性を合わせる」とは宣伝しながらも、「偽善」的な内容のものが多くみられます。企業の費用負担も発生します。(ただ、株価を上げる経営ができれば、その利益が増えるので、「株主の利害関係と一致するインセンティブ」という点では、意味はあると思います。)
宮川社長は、会社に頼らず、「市場から自らの資金で株を買う」。「自己資金」でこのように多額の自社株を「宣言して」買うことの例は、他に存じあげません。インサイダーですから、業務上の情報を知って、「株を売りたい」と思っても、情報を公開するまでは「売れません」。従って、売却のタイミングを探るときは、一般の方よりも後になりますので、まったく不利です。
宮川社長の考え方(宣言して自社株を買う)は、市場でも歓迎されると思います。「透明性が高く、株主との利害の公平な一体化」のために社長個人が行う行動として、注目に値します。(これを真似できる経営者はほとんどいないでしょう)報酬として制限付きで株式やオプションを経営者が取得することはアメリカでもよくありますが、市場からこれだけの大規模な購入は初めて聞きました。「symbolic management」は私の研究分野の1つですが、社内外へのメッセージ性は強いと思います。
昔のニケシュ・アローラ氏への600億円の融資・買い付け(①)を思い出す。結局これはたしか孫氏が買い取ったはず。
SOとかRSUでないのは「身銭を切る」ということ?
①https://newspicks.com/news/1115889
②https://forbesjapan.com/articles/detail/12615/2/1/1