[31日 ロイター] - ソフトバンクグループが出資する米不動産仲介会社・コンパスは31日、新規株式公開(IPO)価格を仮条件の下限である1株当たり18ドルに設定したと発表した。資金調達額は4億5000万ドルとなった。

コンパスは当初、1株当たり23─26ドルで3600万株を売り出す計画だったが、価格レンジを18─19ドルに、株式数を2500万株に、それぞれ引き下げていた。また当初は9億3600万ドルの調達を目指していた。

オプションや譲渡制限付株式を含めた完全希薄化後の企業価値は90億ドルとなる。直近の2019年の資金調達時は64億ドルと見積もられていた。

リフィニティブによると、今年第1・四半期に企業が米上場で調達した資金は既に360億ドルを超え、前年同期比で360%超増加している。不動産エージェント向けソフトウエアプラットフォームを運営するコンパスの仮条件引き下げは、新しい技術に対する投資家の需要後退を示唆している可能性がある。

一方で、オンライン学習プラットフォームを手掛ける米コーセラのIPOでは公開価格が目標レンジの上限となるなど、明るい材料もある。

コンパスは、ツイッターの元エンジニアリング担当責任者、オリ・アロン氏と、ゴールドマン・サックス出身のロバート・レフキン氏が2012年に創設した。

コンパスは31日に公開価格を決定し、4月1日にニューヨーク証券取引所に上場する。

ゴールドマン、モルガン・スタンレー、バークレイズが主幹事を務める。

*内容を追加しました。