[東京 31日 ロイター] - 日銀は31日、4月の国債買い入れ予定(オペ紙)を発表した。3月の政策点検を受けて、従来のレンジ方式から、一定の金額を示す方式に変更した。「残存期間5年超10年以下」の1回当たりオファー額が4500億円で月4回の予定となるなど、3月に比べると幅広く減額された。

月間ベースで3月実績と比較し、最も大幅な減額となったのは、5─10年で3000億円の減少。10─25年は400億円、25年超は100億円と超長期債の減少幅は、市場のほぼ予想範囲内となった。買い入れ額は、トータルで7300億円の減少になる。

日銀の金融市場局は31日、4月の国債買い入れ予定について「コロナ禍が続くもとではイールドカーブの低位安定の継続を優先すべきだ」とコメントした。市場機能の維持と金利コントロールのバランスを取ることが重要であるとし、「オペの応札状況と国債の需給を踏まえ、買い入れ回数とオファー金額を見直した」と指摘した。

みずほ証券のマーケットアナリスト、松崎涼祐氏は「かなり変わったが、市場に任せるという意思を見せたということだろう。実際に金額も回数も減らしており、日銀がこれまで出してきたメッセージと整合的だ」という。

一方、市場では5─10年や10年超を中心とした減額予想が多く、幅広い対象の減額はやや予想外だった。夜間の円債先物は軟調に推移しており、金利上昇方向の材料として受け止められている。

●4月の国債買い入れ予定の概要と3月実績との比較は以下の通り。

「1年以下」は1500億円を1回:3月比500億円減(1000億円を2回)

「1─3年」は4750億円を4回:3月比1000億円減(4000億円を5回)

「3─5年」は4500億円を4回:3月比500億円減(3700億円を5回)

「5─10年」は4500億円を4回:3月比3000億円減(4200億円を5回)

「10─25年」は2000億円を1回:3月比400億円減(1200億円を2回)

「25年超」は500億円を1回:3月比100億円減(300億円を2回)

「物価連動債」は600億円を1回:3月比同額(300億円を2回)

「変動利付債」は300億円を四半期に1回:従来比1800億円減(500億円を隔月1回)

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(伊賀大記 植竹知子 和田崇彦)