[ロンドン 30日 ロイター] - ドイツ高級車メーカー、BMWのオリバー・ツィプセ最高経営責任者(CEO)は、同社は適切なタイミングで電気自動車(EV)にシフトしており、今後発売する新車種によって同社が後れを取っているとの見方が一変するだろうと述べた。

同氏はインタビューで「当社が休止状態だったという見方があるが、実際は休んでいない」と強調。「Eモビリティー(電動車)が本格的に量産に移行するタイミングを見計らっていた」と説明した。

ツィプセ氏によると、BMWは持続可能な事業計画の一環として、自社車両の原料調達から寿命までの二酸化炭素(CO2)排出量を2030年までに累計200メガトン削減する目標を掲げていると明らかにした。ロンドンの年間排出量の7倍に相当する。

BMWは30日、EV電池の主要原料であるリチウムの調達に向け、リチウム生産の米リベントと総額2億8500万ユーロ(3億3500万ドル)の契約を結んだと発表した。

同社は現在、内燃エンジン車とハイブリッド車、EVで共通車台を使っているが、これではEVの性能が落ちるとの指摘もある。EV専用の車台(プラットフォーム)は25年以降に使われる見通し。

ツィプセ氏はEV専用プラットフォームを使う車は「全て似ている」のが問題だと指摘。「BMWのターゲットは高額を支払う顧客に特化されており、全部似ている車は求めていないと思う」と続けた。

また、欧州連合(EU)が2030年のCO2排出削減目標をさらに厳格化すると予想した。

BMWの株価については、時価総額約550億ユーロは株主資本の600億ユーロを下回っていると指摘し、「何かが間違っている。これは将来性が見込めないとの前提だ」と不満を示した。

米EV大手テスラのような「話題株」にBMWもなれるかという質問には「もちろん可能だ」と回答。

「BMW株の物語は終わっていない。私たちには素晴らしい将来があり、成長を果たすだろう」と強調した。