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三菱UFJ証Hの損失は約300億円、ポジション処理が完了

更新日時
  • 損失は同社の2021年度第1四半期連結決算に反映へ
  • 損失は米アルケゴス関連の取引によるもの-関係者

三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の三菱UFJ証券ホールディングスは31日、欧州子会社での米顧客との取引に関連したポジションの処理が完了し、損害額が約2億7000万ドル(約300億円)になったと発表した。

Inside the Mitsubishi UFJ Financial Group Headquarters Ahead of Earnings

アルケゴス関連取引で損失額が確定

  発表資料によると、損失は今後、欧州子会社の決算に反映され、三菱UFJ証券Hでは2021年度第1四半期(4-6月)連結決算に反映されるとしている。

  ブルームバーグは30日、関係者の話として、この損失は米アルケゴス・キャピタル・マネジメント関連の取引によるものと報じた。野村ホールディングスやクレディ・スイス・グループでも同社との取引で多額の損失を計上する可能性があることが分かっており、金融機関への影響が広がっている。アルケゴスは野村HDでヘッジファンドなどにサービスを提供するプライムブローカレッジ部門の顧客だった。

  MUFGの31日の株価終値は前日比3.9%安の591.7円だった。

MUFG株続落、アルケゴスで損失可能性-間接影響含め状況注視 (1)

  高いレバレッジを効かせた投資を手掛けていたアルケゴスは、金融機関から多額の株式売却を迫られてポジションを解消。JPモルガン・チェースはリポートで、アルケゴスが絡むポジションが強制的に清算されたことで影響を受けた金融機関の損失は合計で50億-100億ドルに上る可能性を指摘した。

  一方、大和証券グループ本社やSMBC日興証券では、多額の損失が発生する取引はないと考えている、とそれぞれの広報担当者がコメントした。

  みずほフィナンシャルグループの広報担当者は、個別取引に関するコメントは差し控えるが、現時点で業績予想に影響を与えるような事象は発生しておらず、今後開示が必要な事象が発生した場合には速やかに公表するとした。プライムブローカレッジビジネスは行っていないという。

  

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