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ツアーの企画販売や航空券販売の取次を行う業界大手の旅行代理店。ホテルやテーマパークも展開。なお、ハウステンボスは2022年に香港の資産運用会社へ売却済み。
業種
旅行代理店
時価総額
1,520 億円
業績
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東京都心3区を中心としたオフィスビル賃貸が主力事業。米国展開を積極化。大都市・地方中核都市中心部でビジネスホテルも展開。
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↓の辺り(以下、>「」内は記事からコピペ。⇒以降は私のコメント)
>「4社による取り合いになるほど“人気物件”だったユニゾだが、2020年末には格付け機関から「投資不適格」に格下げされてしまった。」
⇒ 4社の取り合いになった部分はエクイティで、投資不適格の部分はデットです。投資家が異なるものを横並びにするのは変です。
> 「メインバンクだったみずほ銀行は全てのユニゾ向け融資を引き揚げており、みずほ銀行出身の経営陣も退任した。通常の企業であれば再建を主導するメインバンクが不在の状況だ。」
⇒ みずほ銀行出身の経営陣が退任するのは、エクイティのチェンジオブコントロールが起きたから当然で、予定されていたものです。また、再建を主導するのはメインバンクではありません(銀行は債権の回収最大化が目的で、再建は手段です。再建自体は目的ではありませんし、銀行が直接再建のスポンサーにはなりません。)。
> 「なぜARCMは、倒産処理手続きをすべきだと主張するのか。それを理解するためには、社債投資家の立ち位置を知る必要がある。
経営状況が悪化した企業は、同じ「貸し手」でも社債投資家よりも、融資元の銀行を、返済や情報開示において優遇する傾向がある。」
⇒ 銀行は返済期限を細かく切っていて、さらに財務コベナンツを設定しているので、「返済してください and/or 担保を設定してください。さもなくば全て期限の利益を喪失させるよ(即時に全額返済を迫る)」のカードを出すと企業は従わざるを得ません。銀行は本件のような不測の事態に備えるためにあらかじめローンの設計や契約条件の中に回収最大化を果たせるような仕組みを入れています。このような仕組みがないのに長い期限を付与した社債権者はぬるいです。
①がEBO成立時のPick。そこにAkiさんのコメントにあるが、EBOという形態はとっているが、大部分の資金はローンスターから出ていると思われ、また当時の経営陣は成立時に辞任する計画も発表されている。
EBO成立時点では記事のSTEP1が完了し、ローンスターにEBO行ったチトセアに対する約2000億円の債務があり、上場時のユニゾ株主はTOBでリターンが出た状態。そしてその後にSTEP2に進んで、ユニゾがチトセアに貸し付け2160億円と配当530億円を支払い、チトセアはローンスターに債務を返済(ローンスターはこの期間のリスクを取ってリターンを得た形)。なので、ユニゾに債務が存在し、チトセアに配当金分が残っている状態。
これがなぜ可能だったのかというのは、②の昨年11月の日経記事や③の今年1月のダイヤモンド記事が詳しい。②ではコベナンツ条項がなかったように見え、③はあったが破られているように見える。真実がどっちか、また両方が成立しうる可能性があるのかは分からないが、もちろん両社とも何らかの法的バックアップは用意しているだろう。
④はEBOの舞台裏の記事。まぁ色々あったのだろうと思わせる記事。そしてここでチトセアに渡った配当金約500億円が現在どうなっているのかが個人的には気になっている。ここは今後にもかかわるのと、あとは現状ではユニゾに債務が残っている状態(なので債権者がそれを回収できないと損を被る)が、上記のコベナンツなどの議論が成立すれば、ではこの500億円やローンスターが回収した2000億円を回収できるのか。法律とお金が現在どこにあるのかの両輪。
①https://newspicks.com/news/4483640
②https://newspicks.com/news/5416846
③https://newspicks.com/news/5574147
④https://newspicks.com/news/4666191
本来このような事案ではメーンバンクが会社とともに再建を主導するものだが、圧倒的な存在感のあったみずほ銀行は融資残高ゼロとなっており、メーン行不在が混乱に拍車をかけている。地銀決算にも多大な影響を及ぼす案件だけに、引き続き注視していきたい。当面は5月の社債償還(100億円)を無事に乗り切れるのかに注目
借金返済を求められるペーパーカンバニー(チトセア)には事業もなければ入ってくるおカネもないので、実際に事業を行っている買収対象企業(ユニゾ)と合併することによって事業で入ってくるおカネで借金を返済するのが一般的です。
そして、合併した新会社がその後IPOをしたり、他社に売却されたり、という形でエグジットできたら一連のLBO案件はめでたく完結します。
ただ、いったん非上場化して、その後ファンドのもとで出直してIPO再デビューを果たした会社(すかいらーくやマクロミルなど)のバランスシートを見たらわかりますが、しこたま借金を抱えているのがわかります。
一般的にLBOを成立させるための借金を返済し終わる前に「兵どもが夢の跡」状態でIPOしてくるので「あらららら。こんなあられもない姿になっちゃって・・・」と嘆かわしいくらいに汚れたバランスシートになっています。
もちろん、LBOは典型的には「衣食住」にかかわる安定したキャッシュフローを持つ事業が対象になるので(だからこそ銀行も喜び勇んで貸します)、レバレッジをかけても借金返済が滞りなく進みます。
ところが、ユニゾのように本業のビジネスが不調に陥るとキャッシュが入ってこなくなるので、返済に支障を来すことにもなりかねません。
本件では、ユニゾがチトセアにおカネを貸して、さらに、チトセアがローンスターに借金(全額?)返済するなんてアブノーマル過ぎて、どう考えても相当な「すったもんだ」があったとしか考えられません。