シティが投資銀行部門に新グループ、法人顧客の脱炭素化支援
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企業の脱炭素推進は、それぞれの企業の中期経営計画(含むファイナンス)とセットで考える必要があり、ファイナンス戦略面からシティが支援するというのは、金融機関の法人営業や法人支援のあり方としては真っ当だと思います。大口法人顧客が対象と書いてあるのですが、中小企業にももちろん支援は必要なわけで、そこはシティの戦略として線引きしたんでしょうね。大口法人顧客のバリューチェーン全般での脱炭素支援をします、なら話は別ですが(そうあってほしいと思います)。
注目のコメント
とてもリーズナブルな判断だと思います。
(前提)
温室効果ガスの排出の大きな部分を占めるのが第二次産業(畜産など第一次産業も国によっては大きいですが)。
カーボンフットプリントの大きい産業においては、脱炭素化に向けた巨額の投資が必要なわけですが、機関投資家特に欧州勢は、自ポートフォリオのカーボンフットプリントを下げたいがために、排出削減余地の大きい産業よりも、現在排出量の小さい産業を選り好みしてしまう可能性があります。
またコロナ後の米国の株価回復も、人気銘柄はテックに偏りがちで、排出削減のためのファンディングが必要な産業にはお金が十分に行き渡っているとは言えません。
(資金調達のボトルネック)
投資家としては、足元のカーボンフットプリントを見るよりも、今後の削減余地と削減計画・進捗を見て投資することは立派な投資テーマとなりますし、リターンの源泉となり得ます(例えば、ある会社の将来のESG格付が改善することを見越して先に投資できることになります)。
問題は、上述削減余地・削減計画・進捗実績を発行体側が定量的に示すに至っておらず、開示情報が極めて限定的なことです。従ってこのような投資をすることは現実には中々難しい。
(投資銀行部門の価値)
こうして見ると、投資銀行部門が、脱炭素化のエクイティストーリーやデットストーリーの策定と、それに基づく投資家マーケティングを支援することはとても理にかなっています。グループの略語は何だろう。NRC?
Steve Trauber and Sandip Sen will oversee the new natural resources and clean energy transition group, which includes the energy, power and chemicals franchises.