[28日 ロイター] - 国連のグテレス事務総長は、中国の新疆ウイグル自治区でイスラム教少数民族ウイグル族が迫害を受けているとの報告を検証するため、同自治区への自由な立ち入りを求めて同国と「真剣な交渉」を行っていると明らかにした。28日に放送されたカナダ放送協会(CBC)のインタビューで述べた。

国連人権高等弁務官のミシェル・バチェレ氏は2月、市民の恣意的な拘禁と不当な扱い、性暴力、強制労働の報告を踏まえると、現地の状況について綿密で独立した調査を行う必要があると述べ、現地を訪問するための協議が始まったことを明らかにしていた。

グテレス事務総長は、バチェレ氏の訪問について「現在、高等弁務官事務所と中国当局の間で交渉が行われている」とし、「近く合意に達し、制約や制限のない訪問が可能になることを期待している」と述べた。

中国政府は少数民族に対する不当な扱いを否定し、新疆ウイグル自治区やチベット自治区の少数民族が幅広い自由を享受しているとしている。

中国外務省は27日、新疆ウイグル自治区での人権問題に対する米欧の制裁措置への対抗措置として、 米政府系機関である米国際宗教自由委員会(USCIRF)の幹部2人とカナダ議会の下院議員1人に制裁を課すと発表した。