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コロナで変わる世界

移動や集会に制約 抗議の声、路上からオンラインに

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ツイッターにアップした動画の中で、デモを告知する田中小夏さん。動画は7万回以上、再生されている=「子育て緊急事態アクション」提供
ツイッターにアップした動画の中で、デモを告知する田中小夏さん。動画は7万回以上、再生されている=「子育て緊急事態アクション」提供

 新型コロナウイルスの流行は社会の不均衡をあぶり出した。人々が抗議の声を上げる場所は、コロナ禍で移動や集会が制約されたリアルな空間からオンラインへと移り、新たなうねりを生んでいる。【木許はるみ】

国を動かした母親の叫び

 「#子育て緊急事態宣言」「デモに参加してください!」

 新型コロナウイルスの感染拡大で、政府が全国一斉の休校要請を出してほぼ1年がたった今年3月1日。休校になった子どもの世話で仕事を休むことを迫られた保護者らのグループが、休業補償制度の改善を求めて抗議の声を上げた。その舞台はツイッター。開始から2時間で「#子育て緊急事態宣言」のハッシュタグのついた投稿数は目標の3倍となる1万5000件を超え、タグはトレンド入りした。

 「困っている人がいても国は見て見ぬふりをしている。そう感じる人たちの声が集まったんだと思います」。ツイッターデモを呼びかけた札幌市のパート従業員、田中小夏さん(28)は予想を超えた反響に驚きと手応えを感じている。

 田中さんは建設業の夫と長男(7)、長女(3)との4人暮らし。昨年春、長男が通う小学校の休校でパート先のアパレル店で働ける日が少なくなった。自動車ローンの返済や子どもの習い事の支払いにあてていた月8万円の手取りは3万円に減り、家計は圧迫された。コロナ対策で一斉休校を要請した国は、働けなくなった保護者に1日上限1万5000円を支払う助成金制度を新設した。田中さんはこの制度を使った賃金補償を職場に求めたが、返ってきたのは予想外の反応だった。「子育てをしながら出勤した従業員にとって不公平になる」

 当時、助成金の申請は企業の判断に委ねられていた。交渉を続けたが会社側は動かなかった。ツイッターで発信していた保護者を通じ、似た境遇の親が全国にたくさんいると知った。助成金を個人で申請できないか。制度の…

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