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EVの充電時間の長さの問題が出ると、必ずでてくるのが交換方式のアイデアで、既に1896年に提案があります。そして1910年代にEVトラック向けにいくつかの事業が行われていましたが内燃機関車の登場で消えました。
記事にもあるベタープレイスは、2007年に起業し2013年に破綻して解散しました。
失敗の要因は2つあります。
1つは対応するEVがでない事です。現行で発売されているEVにおいてバッテリーは核心技術であり、各社とも電極・電解液・セパレーター、セル・モジュール、冷却方式、大きさ、搭載箇所、等々様々で、EV競争力の要です。それが規格化コモディティ化されるのは時期尚早です。
もう1つはステーションとしてのビジネスモデルの問題です。ガソリンスタンドの場合、タンクを数分で一杯にして五千円とかの売り上げですが、EVバッテリー交換の場合、1つウン十万からウン百万するバッテリーを交換するのに、チャージされる電力の料金自体は数百円分であり、特殊な交換設備にかかる交換費用をある程度とるとすると、充電という手段と比べてかなり割高になってしまいます。しかも、ガソリンより一桁安いビジネスに興味をもつガソリンスタンド業界はいません。
従って、時代が早すぎたというわけではないと思います。
むしろ100年遅かった。
類似のサービスは、中国の電力会社や、フランスでもありましたが、うまくはいってないですね。
一方、手で持てる容量のバイクや自転車用ならすでに実用化されていますが。こちらはまだ可能性あるでしょう。しかしそれでも難しい。
むしろ、業界は350kW以上の超急速充電の方に舵を切っている様に思います。多分600kWとかになれば理論上数分で充電できます。「全固体電池」のような高圧に耐えられる電池が実用化されればですが。
現行の問題点を解決できそうで、かつ技術的に可能なのでイメージしやすいため、ついうっかり出資がついてしまったりしますが、EVはバッテリーが極端に高くそして重いので、ビジネスモデルとして成立させるのが難しいというところが、認識のギャップになっているんでしょうね。
AmpleがOEMのバッテリーでも安全だと言っても、メーカーが責任を持てないとしてOEMが非推奨となった場合、ビジネスとして成り立たない気がする。
日産との取引は、OEMバッテリーの製造メーカーを日産に知らせているのだろうか。
自動車とは離れますが、電動二輪車の交換バッテリーはメーカー主導で標準化されていく。EVも同じ流れになった時、Ampleはどうなっていくのか。
『電動二輪車の交換バッテリー標準化へ。ホンダ・カワサキ・スズキ・ヤマハ - Impress Watch』
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1314698.html
https://newspicks.com/news/5702259
単一メーカーでやるより共通化することは重要。ただ、液体のガソリンと違い、電池は大きい固体。共通化するとそれがそもそも自動車設計の基本となり、メーカー各社がそれを本当に受け入れるのか。特に自動車メーカー各社が提携も含めて電池については内製・半内製化を進めている。
あと、現実のビジネスとして、「電池代を誰が持つのか」。交換式であれば車体価格には含まない?だけど必要な時に電池を使うことが出来なかったら移動もできない…こういうインフラ系で先行投資するビジネスは、うまくいくと圧倒的に強くなるのだが、それまでに財務力含めて閾値を超えられないことが多い。
そこが変わらない限り無理でしょうね
もちろん、重いとか、車体設計が大変とかって技術的ハードルも高いですが
まあ、ここでは自由経済原理が働いている、って事ですねぇ
「当時世界で最も力のあるソフトウェア企業の1つだったSAPでCEOへの道を歩んでいたShai Agassi(シャイ・アガシ)氏は、それまで専門的なキャリアを積み重ねてきた会社を離れ、Better Place(ベター・プレイス)というビジネスを始めた。」
つまり、大量購入で電気を安く仕入れることが収益源だった。
当時は、日産社内では、バッテリー技術の進歩で、仕様がどんどん変更されていたことと、バッテリー交換がリフトアップした車両の下から行うという時間のかかる技術的にも難しいやり方で、多くの技術者は賛成しなかったと聞いている。
ゴンさんの強い押しがあったものの、結局はビジネスとして失敗に終わって、日産は助かった。
自動車のバッテリーは、家電の乾電池のようなタイプではなく、大きく、重い。だから、売電での鞘抜きを狙う、怪しいビジネスモデルだった。詐欺だと言う人もいた。
今回は、何が、収益源で競争優位は何だろうか?
唯一の望みは、LCAに関わるバッテリー廃棄のCO2排出量を低減するための、リサイクルでしょうか。
モジュール化することで、交換式ではないバッテリーでは不可能な高い再利率が実現できれば、芽はあるかもしれません。
※個人的な見解であり、所属する会社、組織とは全く関係ありません